さようなら旧NSX、こんにちは新NSX
ホンダが渾身の力を込めて、世に送り出したNSXの生産が終了したのが12月。
横置きのV6じゃスーパーカーじゃない、ゴルフバッグを入れられるトランクなど不必要などという批判もあったが、このクルマが世界のスポーツカーメーカーに与えた影響は大きかった。
NSXがアメリカ市場で受け入れられると、フェラーリやポルシェと言った伝統あるスポーツカーメーカーがこぞって方向性を修正した。
特にフェラーリに与えた影響は甚大だった。
以前のフェラーリは、一応製造ラインはあったが品質管理などあまりされておらず、個体差が大きい商品だった。
故障するのが当たり前で、エアコンやカーオーディオなどの快適装備もおざなりだった。
当然、世界市場を相手にした車作りもしていなかった。
よって高温多湿の日本では故障することもよくあった。
元々、フェラーリの市販車とはそういう存在だった。
エンツォ・フェラーリがレース活動する資金を作り出す為に、型落ちのレーシングカーに保安部品をつけて売り出したのがフェラーリ市販車の原型だ。
エンツォはあまり市販車には情熱を傾けていなかった。
彼にとって市販車とはレース活動する為の金づる。
レーシングカーを売るのだから、整備しなければちゃんと動作しないのは当たり前という発想だったのだろう。
そんなわけで、会社が資金難に陥るとさっさと市販車部門をフィアットに売り払った。
しかし、フィアットがレース部門に口を出すことはかたく禁じた。
エンツォにとって市販車とはそういう存在だった。
レースをする為に、クルマを売る。
そこには顧客満足という言葉はない。
当時、スポーツカーとはそういうものだった。
好きな人が苦労して、汗しながら運転するのがスポーツカーだった。
その概念をNSXは変えた。
誰でも運転できるスポーツカーという概念を持ち込んだのだ。
乗用車と同じくらい快適装備。
エアコンは効くし、音楽も聴ける。
AT装備も当たり前。
NSXがアメリカで売れるのをみたポルシェとフェラーリは慌てたに違いない。
彼らのドル箱市場がアメリカだったからだ。
結果、彼らの車作りは変わった。
特にフェラーリは驚くほど変わった。
製品品質はあがり、エアコンは効き内装は豪華になった。
ゴルフバックが積めるように大型化。
パワステもついた。
かつてのフェラーリとは明らかに違うクルマ作りに変わった。
それが良かったのかどうかはわからない。
結果として、フェラーリは販売台数を伸ばした。
ポルシェでもさえもクルマが大型化し、快適になり、運転するのがやさしくなった。
それが世界の趨勢だったと言う人もいるかもしれない。
確かに販売台数を増やそうと思えば、市場を広げるしかない。
女性や年配者でも運転できるようにすれば、クルマは売れる。
しかし、NSX登場以前は誰にでも運転できる本格的スポーツカーなどはなかった。
女性でも運転できるスポーツカーがNSXだった。
しかも、ひとたび攻め込むと恐ろしいほどの力を見せつけてくれる。
もしNSXがただのお手軽なスポーツカー風のクーペだったら、ここまでの影響力はなかっただろう。
それまでスペック至上主義だった、日本車メーカーが伝統のあるヨーロッパメーカーとは違うスポーツカーの概念を提案したのだ。
そんなNSXがさみしく生産終了したのが、昨年の12月。
しかし今年に入り、ホンダはNSXの次モデルを2008年に販売すると発表した。
新設されるアキュラブランドのフラッグシップカーする予定。
エンジンは噂のV10だ。
F1技術を惜しげもなく、投入したものになるのは間違いない。
V10となれば、エンジンも当然縦置きにになり、旧モデルよりさらに本格的なスポーツカーになることだろう。
今から新NSXの登場が待ちきれない。
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ホンダNSX後継車が08年登場、新型エンジン搭載
NSXの生産が終わって悲しかったがこれは楽しみだ。 どんな風貌になるかワクワクである。 ホンダは5日、2005年末に生産を終了した国産最高級スポーツカー、NSXの後継となる次世代スポーツカーを08年に発売する方針を明らかにした。 ホンダは、米国で展開して