2013 Rd16 インドGP観戦記 <br> 明暗分けたタイヤ戦略
今回、ピレリが持ち込んだのはソフトとミディアム。ソフトタイヤはフリー走行では数周しかもたないマシンもいたほど、タイヤのタレが厳しく、フロントタイヤはグレイニングが、リヤタイヤにはブリスターが発生し、使い方が難しかった。
一方、ミディアムタイヤは何周してもタイヤのタレがほとんどない。フリー走行では30周以上走行してもまだタイムが向上するマシンもあった。その為、Q3ではウェバーとアロンソ、マクラーレンの二台はミディアムでアタックし、ミディアムタイヤでスタートした。これは燃料搭載量が多いレース序盤に壊れやすいソフトタイヤを履かずに、燃料が少なく路面にもラバーがのってきたレース終盤であればソフトタイヤでも長い距離を走れるとの計算である。
タイヤのデグラデーションが事実上ないミディアムタイヤは、コンパウンドがすり減ってなくなるまでタイム的には問題がない。ただそれが何周まで持つのかは未知数である。金曜日のフリー走行では35周走ったドライバーもいたが、それ以上の領域は誰もわからない。
1周目にソフトタイヤを交換したのが3台、2周目にはベッテルもミディアムにタイヤへ交換。すぐにダメになるソフトを早々に捨て、残りの2スティントを安定したミディアムで乗り切る作戦だ。30周であればミディアムの寿命は問題ない。スタート直後にタイヤ交換すればきれいなエアの中を走れて有利に働く。
一方、ミディアムでスタートしたウェバーは意外にも第二スティントでソフトタイヤを選択し、5周だけ走って、またミディアムに戻した。これはレース途中でセーフティカーが出た場合、タイヤ交換もできず後ろとの差が縮まると苦しいので、早く二種類のタイヤ交換義務を果たしたい意図があった。それにレース終盤にソフトタイヤで何周走れるかは未知数で、ギャンブルを犯したくない気持ちもあった。
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