ルノーF1撤退か?アロンソ移籍の真相
アロンソが2007年よりマクレーレンに移籍することを表明してから、1ヶ月足らず。
なぜこの時期に移籍なのかと、驚いた方も多いはずだ。
過去にもその年にチャンピオンになったドライバーが、シーズン中の契約更改交渉がうまくいかずに、翌年、移籍することはあった。
チャンピオンになったうドライバーが強気で、高額の契約を迫ることが、その一因だ。
ウィリアムズが二年連続でチャンピオンドライバー(D・ヒルとJ・ビルニューブ)を放出したことを覚えている方も多いだろう。
だがアロンソのケースはこのケースとは少し違う。
彼は2005年のチャンピオンになった。
しかも契約を1年残している。
契約更改交渉する時間はまだ残されていた。
しかし、早々にマクレーレンと契約交渉をし、まとめ上げてしまった。
そこが私には少し引っかかる。
もちろん彼が長期的に見れば、ルノーよりマクラーレンの方が期待できると考えたとしても不思議ではない。
昨年、マシンのパフォーマンスは圧倒的にマクラーレンが勝っていた。
だからマクレーレンに移籍して、チャンピオンを狙うと考えるのも当然だ。
ただあまりにも早い時期での契約締結に私は疑問を感じる。
私の推測はこうだ。
ルノーは2007年以降のF1活動に関して、アロンソに明確なコミットメントをしなかったのではないか。
これは2007年にルノーがF1から撤退するという話しではない。
そういうケースもあるだろうが、2008年や2009年でのF1撤退は十分に考えられる話し。
ルノーは普通の自動車メーカーである。
フェラーリやポルシェと違い普通の乗用車を製造している。
F1で活躍すれば、売れるというクルマではない。
それでも多少、販売促進に役立っているかもしれないが、費用対効果を考えるとかなり悪い。
ルノーは昨年、ダブルチャンピオンを奪取し、当初の目的は達成した。
膨大なお金のかかるF1活動を見直ししたとしても不思議ではない。
しかも、昨年4月から社長に就任したのはコストカッターして有名な、あのカルロス・ゴーン氏だ。
もちろん彼は何でもかんでもコストを削れと言う人ではない。
日産でも国内でのモータースポーツ活動は継続したし、横浜Fマリノスへのスポンサーシップも続けている。
ただF1はこれらとは桁違いのお金を必要する。
ゴーン氏が自動車の販売にあまり寄与しない、大量の資金を消費するF1活動を見直ししてもおかしくはないだろう。
それでなくても、ルノーの新車販売はかんばしくない。
2007年以降の活動に関して明確にコミットしないルノーに対してアロンソ陣営が、すかさずマクラーレンに接近し話しをまとめたというのが私の推測だ。
自動車メーカーのコミットメントはドライバーがチームを選択する際に大きな影響を与える。
J・バトンがホンダへの残留を強く希望したのも、ホンダがBARを完全買収し、長期的にF1に関わることを行動で示したからだ。
バリチェロがホンダと契約したのもそうだ。
アロンソが同じように考えたとしても不思議ではない。
さて、ルノーのF1活動はいつまで継続されるのだろうか。
撤退か、継続か?
その答えは今年の終わりには出されるはずだ。
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