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2013 Rd.17 アブダビGP観戦記4 スピード不足のフェラーリ

アロンソはレースの大半をマッサの後ろで過ごした。フェラーリを離れることが確定した後のマッサは、アロンソを助けない。チームオーダーを出しても従わないことがわかっているので、チームもなんとかアロンソをマッサの前に出そうと知恵を絞った。 最初のタイヤ交換は通常、前のドライバーからタイヤ交換するのだが、アロンソを先に入れてアンダーカットを狙いに行く。しかし遅いクルマにひっかかり、抜けなかった。二度目のタイヤ交換はマッサを先にいれ、アロンソの前をあけさせてペースをアップさせる。そして最後にソフトタイヤに交換して、コース上でマッサを抜く作戦をとる。ところが前が空いたアロンソはペースを上げ、二度目のタイヤ交換終了後にマッサの前でコースに戻ることに成功。これはマッサがベルニュに抑えられてタイムロスしたからである。アロンソはコース上に戻る際にベルニュと交錯し、コース外から抜いていったが、これはスペースがなく接触を避けるためとしてペナルティはなかった。 レース後、マッサは最後のスティントでソフトをはかなかったので、アロンソに負けたと不満を述べた。燃料の重い第一スティントをソフトタイヤで18周走ったマッサが、燃料も軽く、路面状態も良くなっている残り16周をソフトで走りきれない理由はない。またソフトを履いていれば遅いマシンを抜くのに有利になるので、アロンソがコースに戻った時に前を走れていた可能性はある。また39週目時点でタイヤ交換する必要性があったか疑問である。その前の彼のタイムは安定しており、タイヤが終わりを迎えている兆候はなかった。 フェラーリはレース前には1ストップを狙っていた。そうでもしなければ、ペース不足で勝負にならなかったからである。だがレース途中で、二台がバトルをしてタイヤを消耗してしまい2ストップに変更。アロンソを先にいかせるためにも、そうせざるをえなかった。もしレース最初からアロンソがマッサの前なら1ストップにしただろう。 どちらにせよ、今回のフェラーリはスピード不足で全く勝負にならなかった。それでも5位なるアロンソは最高の仕事をしているのであるが、このままではコンストラクターズランキング2位の座は遙か彼方へ遠のいていく。

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