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マルシアとザウバー合併の可能性

マルシアとザウバーが合併する可能性が取りざたされている。この合併は実現するのだろうか?   実はあまり知られていないが、マルシアは意外と健全な財務状況を維持している。後方で走っているので開発もできず、資金的に苦しんでいると思われているが、それは事実ではない。もちろん彼らが財政的に裕福かというとそうではない。ただ彼らは入ってくるお金の範囲内で運営している。だから彼らが資金的な規模としては小さいのは間違いないが、その範囲内で運営してれば黒字にするのは難しくても、ひどい財務状況にはならない。だから彼らは来年も間違いなくグリッドに並ぶことが可能である。 一方、ザウバーの財務状況は苦しい。彼らはBMW時代の拡張した施設に人員を維持している。当然、人員の削減は実施されてはいるが、彼らは入ってくるお金より遙かに出ていくお金の方が多い。だから赤字になり資金的に苦しくなる。 マルシアとザウバーが合併するとなると、ザウバーが規模の小さいマルシアを飲み込むと誤解されそうだが、資金的な面で見ると逆である。 だがこの合併の話はマルシアのメリットがない。彼らは開発も限られているし、グリッドの後方から抜け出せていない。だが今すぐ潰れるということはない。2013年はコンストラクターズランキングで10位になり、輸送費用の優遇や分配金が得られる。ここでザウバーを抱えたら、一挙に資金的に苦しくなる。当然、BMW時代に作った高度な施設は使えるが、マルシアの本拠はイギリスにあり、ザウバーはスイスに本拠地を構えている。これだけ距離が離れていると活用するのは難しい。 ザウバーを買収すれば、資金を投入してくれる投資家などがいれば別だが、今の金欠病に陥っているF1に投資するのは、お金をどぶに捨てるようなものであり、まともな投資家であれば興味がない。 だからこの合併話はまとまる可能性が極めて低い。ザウバーの買収話が出てくるということは、彼らの資金状況が極めて苦しいことを表しているかもしれない。来年の開幕戦には11チーム全てが揃わなくても驚きはしない。

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