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コストキャップ制の導入を基本合意

F1戦略グループの会議はF1チームの活動費用に制限をかける事で基本合意に達した。だがこれが有効に作用するにはまだ紆余曲折が予想される。 コストキャップ制の基本原則がF1戦略会議で採択された。コスト制限は2015年の1月から導入される。 FIA、FOM、チーム代表などの関係者によるワーキンググループが近日中に構成される。ワーキンググループの目的は2014年末までに実効性のあるレギュレーションを作り、承認されることである。 だがこのワーキンググループは一筋縄ではいかない。 資金的に余裕のあるチームは、自分たちに有利に働くよう、資金の上限を上げたり、抜け道を作ろうとするだろう。だが資金的余裕のないチームはそれには反対する。以前もコスト制限を導入する際に、この対立によりコスト制限の有効性が損なわれる結果となった。合意までにはドライバーやマーケティングの費用をどうするか、それをどう定義するか、誰がどう監視するか、非常に複雑で難解なプロセスが多く存在する。この問題ではこれらの詳細な実行部分の定義が、ルールに有効性をもたせられるかどうかの分かれ目になる。 また規模の大きいチームがコスト制限すると、人員を整理しなければならなくなることも問題点となる。だから基本的なコスト削減の目的は承認されたが、細かいルール作成の段階で合意できない可能性もある。 2009年に当時のFIA会長のマックス・モズレーがコスト制限をかけようとした時には、フェラーリやレッドブルの反対で導入が見送られた。当初は30億円の制限案で、それは後に40億円の制限案へ引き上げられた。ドライバーやマーケティングの費用は除くとされたが、この金額は当時の活動資金の10分の1程度であり、急激な費用制限は全チームの同意を得ることは難しかった。だが昨今のチームの経済的苦境を見ると、彼の活動には先見の明があったと言わざるを得ない。 だがコスト削減はもはや待ったなしの状態である。来年はペイドライバーの数が驚くほど多い。これはチームが資金的に困窮している状況を表している。また2014年シーズンに参加できないと危惧されるチームもある。果たして、F1関係者が自分たちの利害を乗り越えて、F1全体の利益のために歩み寄れるかが、一番の焦点となる。 そしてこの問題を早急に解決しない限り、F1は危機的な状況を迎えるだろう。

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