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最低重量の引き上げも否決

FIAが求めていた最低重量を10kg引き上げる提案は、特定のチームの反対により否決された。   この重量引き上げは、大柄なドライバーが必要以上に不利にならないように検討された。だがこの案はフェラーリ、メルセデス、ロータスにより反対され、採択されなかった。戦略グループには6チームが参加し、残りはマクラーレン、ウィリアムズ、レッドブルである。 今のルールでも最低重量は今年の642Kgから来年はドライバー込みで490Kgに引き上げられる。これはF1エンジンが1.6リッターの過給器とモーター付きパワープラントに変更されるにともない、エンジン重量が増えるために最低重量が引き上げられた。 もしマシンが最低重量を下回れないと、大柄で体重も重いドライバーは、それだけ重いマシンで走ることになり、大きな不利になる。例えば10kg重いとラップタイムで0.3秒遅くなる。これでは勝負にならない。 これは小さくて軽いドライバー、例えば体重68kgのフェラーリのフェルナンド・アロンソは体重80kgのヒュルケンベルグよりも約0.4秒アドバンテージを得る。さらに大柄なドライバーは重心位置が高くなると言う不利益もある。 レッドブルに移籍するリカルドは、チームから厳しい減量を言い渡されている。 最低重量は2015年には引き上げられる模様である。ただ来年の開幕戦であるオーストラリアGPが開催される3月16日までに満場一致の同意を得ることが条件になる。これはなかなか難しい条件である。 フェラーリ、メルセデス、ロータスが最低重量の引き上げに反対したということは、彼らはある程度、重量増加の問題を解決する目処を立てていると言うことである。もしくはドライバーが軽いので問題がないかもしれない。 しかし、体重が重いだけで一周あたり0.3秒も遅くなっては、興味がそがれる。ヒュルケンベルグが遅い時は、彼は体重が重いですからねとでも解説すればいいのであろうか。 もっともこれは昔からある問題である。かつてはドライバー込みの最低重量ではなく、マシンだけの最低重量だけが定められた時期が長く、大きく重いドライバーは不利益を被ってきた。 F1は今も昔も長身ドライバーにはつらい業界である。マーク・ウェバーはいい時期にF1から引退したかもしれない。

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