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2006 Rd.1 バーレーンGP観戦記

待ちに待った2006年シーズンが開幕した。 新しいV8エンジンや新予選方式にスーパーアグリF1の参戦など話題が盛りだくさんの開幕戦。 まずは新しくなった予選の話しから。 新予選でいきなりアクシデント発生。 マクレーレンのライコネンが一度もタイムを出すことなく、サスペンション破損でスピン。 ノータイムで最下位に沈む大波乱。 さらにライコネンのスピンで赤旗中断後に、一斉にコースインしてトラック上は大混雑。 そんな中で、トヨタのラルフ・シューマッハーがタイムを出せずに17位にとどまり、第二ピリオドに進めない事態に。 トヨタはさらに、第二ピリオドでツゥルーリも14位に沈み、トヨタは二台とも第三ピリオドで走ることができなかった。 実際に、各ピリオドの最後の3分は大混雑で、誰がどのくらいのタイムを出したのか終わってみないとわからない大混乱だった。 面白いと言えば、面白かったが正直、コース上で何がおこっているのかまったくわからず、消化不良に終わった新予選方式となった。 TV局も新しい予選方式になれていないようだったので、これは次回以降改善されるとは思うのだが。 ただこの予選方式、上位チームにとってはかなりやっかいなことになりそうだ。 今回、新品タイヤで走ると1.5秒程度速く走れた。 そうするとトップチームであっても各ピリオドで新品タイヤを履いてアタックしないと次のピリオドへ進むことができないことも十分に考えられる。 全てのピリオドで新品タイヤを使うと、決勝レースでユーズドタイヤで使うケースも増える。 シーズンが進むに連れて、全てのマシンが各ピリオドで新品タイヤを履くようになるのだろう。 だがその新しいタイヤでのアタック中に遅いクルマに邪魔されてタイムが出なかったら、今回のトヨタみたいに悲惨なことになる。 早めに出てタイムを出すか、最後まで待って逆転を目指すか? 最後に出ていき、失敗するとタイヤ交換して、再アタックする時間もない。 クリアラップが取れないと上位チームでも下位に沈む可能性の高い予選方式になりそうだ。 そんな混乱の予選を制したのは皇帝ミハエル・シューマッハー。 これでミハエル・シューマッハーは故アイルトン・セナに並ぶ65回目のポールポジション。 昨年は見られなかった、ミハエル・シューマッハーの底抜けの笑顔が印象的だった。 フェラーリはマッサも二番手につけ、1-2を成し遂げた。 第一ピリオドと第二ピリオドでは、ルノーのアロンソが制しており、フェラーリは軽めの燃料搭載量で予選を重視した作戦のようだ。 三位にホンダのバトン、四位にルノーのアロンソががつけ、クラッシュで最後尾スタートのライコネンの除けば戦前の予想に近い結果となった。 ▽決勝:結果を左右したピットインのタイミング 決勝レースはミハエル・シューマッハーがスタートを決めトップをキープ。 マッサは第一コーナーでアロンソを押さえたが、直後にかわされ三位に後退。 この後は、ミハエル・シューマッハーとアロンソの一騎打ちとなった。 まずアロンソに最大の危機が訪れる。 直後を走っていたマッサがブレーキをロックし、スピン状態でアロンソのイン側に滑ってきた。 アロンソは間一髪、ブレーキングでこれをかわしたがマッサの飛び込む位置が悪ければ接触、即リタイヤの場面。 この日のアロンソはついていた。 第一スティントは燃料の軽いミハエルが徐々にアロンソを引き離すが、第二スティントではほとんど差が広がらず、そして問題の二回目のピットイン。 最初にピットに入ったのはミハエル・シューマッハー。 ここで差を広げたいアロンソだったが、周回遅れもあり差が広がらず、逆に差が縮まる事態に。 ここでルノーが動いた。 ミハエル・シューマッハーとの差が縮まる前にタイヤ交換する作戦に変更。 燃料補給とタイヤ交換を終えてピットアウトするアロンソ。 その瞬間にミハエルが横に並ぶ。 しかしアロンソが鼻先をわずかに先行させ、トップをキープした。 その後、ミハエル・シューマッハーの逆襲が期待されたが二台はほぼ同じペースで周回を重ね、一度だけミハエル・シューマッハーがアタックを仕掛けるも追い抜けずに、レース終盤にはミハエルもペースダウン。 今年、最初のレースは昨年の王者フェルナンド・アロンソが制した。 ミハエル・シューマッハーは二位に終わったが、レース後は満足そうな顔だった。 今年は戦えるという手応えを感じたのだろう。 三位は最後尾からワンストップ作戦を成功させた、キミ・ライコネンがホンダのバトンを押さえて入った。 今回の最も大きな驚きはニコ・ロズベルグ。 最終スティントで最速ラップをたたき出し7位に。 レース序盤の接触で、予定外のピットインを強いられながらのこの結果は素晴らしい。 チームメートのウェバーは6位だったが最も輝いていた新人だった。 シーズン開幕戦の最も印象に残ったドライバーに送るMID(Most Impressive Driver)はこのニコ・ロズベルグに決まりだ。 レース自体はミハエルとアロンソの一騎打ちだったが上位チームの差はあまりなく、今シーズンは大いに楽しめそうだ。 ではシーズン好例の主要チーム毎に今シーズンを占ってみよう。 ▽今シーズンを占う ・ルノー 戦前の予想通り速かったが、フィジケラにトラブル発生。 昨年同様、なぜかフィジケラにトラブルが集中。 アロンソのマシンは問題なく、今年もチャンピオンの最有力候補。 開幕前にアロンソがマクレーレン移籍を発表し、その影響が心配されたが全く問題なし。 ・マクラーレン 速いが壊れるという昨年のパターンを繰り返したマクレーレン。 ただ心配されたエンジントラブルはなく一安心。 次のマレーシアでエンジンに問題なければ、今年のチャンピオン争いはアロンソと繰り広げることは間違いなさそうだ。 ライコネンと優勝したアロンソとの差は20秒弱。 最後尾からのスタートとしては充分だろう。 エンジンは決して最高の出来ではないが、この速さ。 エンジンさえ良くなってくれば、今年も最速マシンの名を欲しいままにできそうだ。 ・フェラーリ ミハエル・シューマッハーは優勝こそできなかったが、二位。 予選でもポールポジションを得て速さもあることを見せつけた。 ミハエルが二位であんなに喜んでいたのは久しぶりに見た。 屈辱的な一年を過ごした後だったので、喜びもひとしおだったのだろう。 移籍してきたマッサもミハエルに僅差の予選二位。 決勝ではブレーキトラブルでさえなかったが、今後に期待できる走りだった。 ただ、フェラーリはここバーレーンで直前テストをしていただけに、少しアドバンテージがあったのも事実。 マレーシアGPでのパフォーマンスが今年のフェラーリを決定づけそうだ。 ・ホンダ 予想通りの良い走りを見せてくれたが、相変わらず速さが結果に結びつかない。 バトンとバリチェロは予選3位と6位だったが、バトンはスタートで出遅れ、最後には最後尾スタートのライコネンにかわされて4位。 バトンはワンストップでタイヤに厳しいはずのマクレーレンについていくのがやっとで、追い抜くチャンスもなかった。 ただトップのアロンソとバトンの差は約20秒。 大きな差があるわけではないので、ホンダ得意のパワーサーキットでは優勝の可能性もある。 ・トヨタ 予選で二台とも第三ピリオドに進めない波乱。 決勝レースでも目立つことなく14位と16位。 これがマシンのパフォーマンス不足の結果なのか、単にクリアラップが取れなかっただけなのか、マレーシアGPを見てから判断したい。 ・ウィリアムズ 今シーズンのダークホースとなりそうな予感。 好調なコスワースエンジンにも助けられ二台とも入賞。 特にニコ・ロズベルグはファーステストラップもマークし、7位入賞。 問題は主要メーカーエンジンが今後、開発を進めてくるスピードにコスワースがついて行けるのかが問題。 ウィリアムズの開発力には定評があるので、コスワース次第で大化けする可能性でてきた。 ・スーパーアグリ 公式予選の最初に井出がピットアウトしてきた時には思わず拍手してしまった。 予想通り、二台とも予選は最下位だったが、琢磨とモンテイロの差は1.5秒。 もっと遅いと思っていたので意外に速かった。 決勝レースでも琢磨は4週遅れだったが完走。 なれないスタッフが多く、ピット作業がもたつく場面も見られたが、練習らしい練習もできないままの本番だったので仕方ないだろう。 井出も残り11週までは走れており、開幕戦としては予想以上の結果。 F1参戦発表から約4ヶ月、よくぞここまで持ってきた。 鈴木亜久里代表を筆頭に関係者の努力は並大抵のモノではなかっただろう。 完全なニューマシンが出てくるまでは、苦しい状態が続くだろうが、少し光が見えてきた。 ・タイヤ ブリヂストンはフェラーリだけでなく、ウィリアムズのニコ・ロズベルグもファーステストラップをマークし、今シーズンはいけそうだ。 ミシュランもアロンソ、ライコネン共に表彰台をゲット。 今年はタイヤ戦争も拮抗したおもしろい戦いになる。 ただ、バーレーンGPは予想外に暑くなく、次のマレーシアGPで今シーズンの形勢がはっきりしそうだ。 ▽最後に 今シーズン、エンジンレギュレーションの大きな変更により上位チーム間の差は縮まっている。 そうなるとやはり最後はドライバーの腕が勝負になる。 各チームのエースドライバー同士の戦いが激しくなりそうだ。

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