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レッドブルは賢かったのか? 中国GP観戦記

ではレッドブルは賢くて、メルセデスとフェラーリはそうではなかったのか?
 
どうやらそういう訳でもない。レッドブルはウルトラソフトのペースが良かったのでQ2でも普通に一番柔らかいウルトラソフトでアタックした。当然ツーストップになる。
 
だからレッドブルがこの展開を予測して最後にソフトをはいたというのは、少し過大評価というべきだろう。彼からはどのみちレース終わりまでにもう一度タイヤ交換をしなければならなかったので、セーフティカーがでたタイミングでタイヤ交換を実施したにすぎない。
 
今年の中国GPは金曜日、土曜日、日曜日と全て気象コンディションが違っており、レース終盤にタイヤがどう動くのか予想がつかなかった。
 
確かにセーフティカーがでた時点でボッタスとベッテルはピットレーンの入り口を過ぎていた。だがハミルトンはまだ入口にきていなかったので、タイヤ交換は理屈の上では可能だった。だがメルセデスはギャンブルをしなかった。
 
コースレイアウト的には抜きやすそうな上海インターナショナルサーキットだが、実は追い抜きはあまり見られない。長いストレートの手前で前のマシンに接近できないからなのだが、実際第一スティントでは追い抜きは皆無だった。
 
だからメルセデスもフェラーリもトラックポジションを優先してタイヤ交換をしなかった。タイヤ交換すればある程度早いことはわかっていたが、抜くことは難しいと考えたのだ。この判断を責めることはできない。
 
レッドブルは最初からツーストップの予定だったので、セーフティカーが入ったタイミングでタイヤ交換をしただけである。恐らくソフトに変えたレッドブルだってこんな大逆転劇が起こるとは思っても見なかっただろう。