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井出 スーパーライセンス取り消し

井出のスーパーライセンスがFIAによって取り消された。 一度、発行されたスーパライセンスが取り消されるのは異例の措置だ。 理由は経験不足だが、要するに遅いから危険と言うことだろう。 スーパーライセンスがない井出は、金曜日に第三ドライバーとして走ることすらできない。 井出にも言い分はある。 全く新しいF1チームで、急造マシンで、テストはほとんどなしのぶっつけ本番。 これで速く走れと言うのも無理だろう。 オーストラリアGP終了後にスペイン、バルセロナで開催された合同テスト。 三日間おこなわれた三日目に、井出はドライブする予定だった。 しかし、テストプラグラムの遅れにより、三日目も琢磨がドライブ。 井出有治にはドライブする機会が与えられなかった。 彼はF1を学ぶ貴重なチャンスを奪われた。 井出のF1における経験不足はタイヤの使い方に表れている。 彼はタイヤの使い方に難がある。 F1のタイヤは縦に出はなく、横に負荷をかけないと発熱しない。 適温まで発熱しないタイヤはまったくグリップしない。 グリップしないから速く走れず、タイヤは更に発熱しない。 言葉にすると簡単だが700馬力を超すF1を横に振り回すのは難しい。 最も上手いのがアロンソだ。 彼のフォーメーション・ラップやSC導入中のマシンの振り方はすさまじい。 これにはルノーのマシンが安定していることもあるが、彼の技術によるところも多い。 一歩間違えばスピンしかねない危険と隣り合わせの技だ。 チームがテストする際に琢磨を優先するのは当然で、井出は後回しになる。 ただ、それでも琢磨より1秒以上遅くては、今回の処分もやむなしとなる。 次のスペインGP、モナコGPはモンタニーが乗ることが決まった。 その後はモンタニーが乗るのか、他の日本人ドライバーを選択するのか、現時点では不明だ。 私はルノーでテスト・ドライバーとして経験の豊かなモンタニーを選ぶのが一番いいとは思う。 レースでテストをしている現状のスーパーアグリF1では、経験豊かなドライバーが二人走った方が開発は早く進む。 だが、スーパーアグリのスポンサー契約の中には日本人ドライバー起用が義務づけられているという話しもある。 そうすると、日本人ドライバーを捜す必要がでてくる。 山本左近などは有力な候補だが、井出有治のスーパライセンスが取り消されたことにより、FIAは日本人ドライバーに対するスーパライセンスの発行に慎重になるかもしれない。 井出有治は今シーズン、GPを走ることができない。 彼がF1におてい、経験不足なのは事実だ。 今後はスーパーアグリF1でテストドライブを重ねて、経験を積み来年以降の復帰を目指してがんばって欲しい。

3 thoughts on “井出 スーパーライセンス取り消し

  1. シニア・エンジニアのぼやき!

    井出 ライセンス剥奪

     ついに井出のスーパーライセンスが剥奪された。
    井出にとっては可哀想であるが、責任は自分自身と鈴木亜久里とFIAにある。
    井出自身の責任とは?と思うかもしれないが、彼は自分がルーキーだからと遠慮しすぎたと思う。
    彼の走りをテレビでしか見てないが、彼の

  2. のりさん

    こんにちは。このブログでは初めてコメントします。井出のスーパーライセンス剥奪についてはちょっときつすぎると思っていますが、最近の亜久里さんのコメントでちょっと気になることがありました。それは「井出の英語力不足」のこと。私は前々から思っていましたが、日本人のレーシングドライバーって「目指すはF1」を公言する割にはけっこう英語ができない人が多い気がします。はっきり言って「英語ができないのにF1?はぁ?」って感じがします。このへん、日本人は国内では有名でも井の中の蛙みたいな人が多いんじゃないかな?と思ってしまいます。(最近の若い人はよく海外に出て行ってるし、そうじゃないことを祈りますが・・・)とにかく、私が言いたいのはF1行くなら英語は必須!ちょっとくらい速いより英語・コミュニケーション能力の方が大切!ってことです。(その点琢磨は傑出してますよね)

  3. 仙太郎

    のりさん、こんにちは。
    コメントありがとうございます。
    のりさんのお話しまさに、その通りだと思います。
    ドライバーだけではありません、サッカー選手もそうですよね。
    ヨーロッパでプレーしたいと言いながら、言葉ができない。
    彼らは技術があれば、言葉は関係ないと思っているのでしょうか。
    ヨーロッパで活躍している中田英寿や佐藤琢磨が言葉ができるのは偶然ではありません。
    彼らは技術に加えて、コミュニケーション力があるから、活躍できるのです。
    監督の戦術などは、通訳を介して理解できますが、プレーが始まればプレーヤー同士で直接やりとりしなければなりません。
    マシンのセットアップだって、微妙なニュアンスを伝えることができなければ、決まるわけないですよね。
    これではテスト走行を佐藤琢磨に任せるのは、準備不足のスーパーアグリF1であれば、当然です。
    海外で就職したいという人が、言葉ができないなんて言ったら、普通笑われるでしょう。
    そんな当たり前のことが、日本のスポーツ界では理解されていないようです。

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