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フランスGP観戦記改めF1改造論

2019 French Grand Prix, Sunday – LAT Images

フランスGPでいいことは、天気が良かったことだけなんて言うとかなり皮肉ですかね。これまでも淡々としたレースはありましたが、ここまでのレースはちょっと記憶にないです。
 
ただ退屈なレースとは言いたくないですね。ドライバーはみんな全力を出してるわけですし、ハミルトンも言ってるように、退屈なレースはドライバーの責任ではなく、ルールを決めてる人にあるのは明らかだからです。
 
というわけで今回は私的なF1改革論を書かせていただきます。
 
F1の運転が簡単になったという人もいて、それはそれである面では正しいのですが、逆に複雑になって難しくなってる部分もあるわけで、どちらにせよ今も昔もF1で速く走るのは難しいのです。
 
そうではなくて、根本的に今のF1はミスが少ないと言った方がいいですね、
ギアシフトはセミオートマなので、パドルをカチカチやるだけですし、カーボンブレーキなので制動距離も短いです。
 
F1でオーバーテイクが少ないのは、もちろん空力的な問題もあるのですが、昔はドライバーがよくミスしていたので、追い抜きが多いという面も確実にあります。
 
片手でステアリング操作しながら、片手でギアチェンジするわけですから、シフトミスも多かったですし、当然立ち上がりの加速も鈍くなる訳で、追い抜きが多くなります。昔のセナのモナコアタックとか見ると、人間業とは思えません。
 
あと空力的な問題で言えば、オーバーテイクが少ない諸悪の根源はディフューザーです。これがあるから乱流が発生して、後ろのマシンの空力的安定性を損ないます。これがある限りフロントウイングいじろうと、DRSつけようと、変わらないと思います。
 
あとタイヤも問題あります。これもピレリが悪いわけではないのですが、タイヤの寿命が短いので、ドライバーが速く走れない。速く走りたくても、速く走れない。ピレリも寿命の短いタイヤ作れと言われてるので仕方ないですけどね。
 
ただタイヤの寿命を気にしなくなると、メルセデスが今以上に独走しそうで怖いです。
 
これらのものを変えるだけで、F1のオーバーテイクは増えると思います。こういうと必ずいやF1はハイテクがないとダメという人がいるのですが、要はどちらを取るかという事なんです。車と同じで全員が納得できる答えなんてないのです。
 
F1は最初、ドライバーチャンピオンシップしかなく、後からコンストラクターズ選手権が追加されました。F1は今も昔もドライバーのためのチャンピオンシップなのです。だからあくまでも選手優先が守るべき原則だと思っています。
 
 
そもそもF1が厳しいルールでマシンを再現しているのは、マシンの性能差が大きくならないようにして、ドライバーの能力が発揮されやすくしているからです。
 
F1で上位と下位のタイム差が3秒もあると言われますが、他のカテゴリー見れば、それ以上の差がついています。
 
個人的には今のパワーユニットも不満です。高価で複雑な上に一般のファンには全く理解不能。メーカーには好評なようですが、誰の為のF1なんでしょか。技術開発がそんなに重要なら、観客のいないサーキットでレースをやれば、いいと思います。
 
昔は良かったなんて言いたくはありませんが、フェラーリ以外のワークスがいない時代もありましたが、それとレースの面白さとは全く関係ありません。
 
コスワースのDFVエンジンが主流だった時代の方がはるかにレースは面白かったです。技術開発はルマンやラリーでやっていただき、住み分けして、F1はもっとスポーツの原点に立ち返り、再出発して欲しいと思います。
 
結局、F1マシンと同じでメリットとデメリットのどちらを取るかということです。私はハイテクがある限り、追い抜きは増えないと思います。だからハイテクを禁止すべきだという意見です。それはF1をスポーツだと思っているからです。テクノロジーよりもスポーツが優先したいからです。
 
今のままでは、あれほど好きだったF1に興味がなくなる時代がやってきそうで、怖いです。
 
 
▽フランスGP観戦記
簡単ながらフランスGP観戦記です。
レースは予選からハミルトンがポールを取り、スタートもバッチリでそのまま逃げ切りました。
 
ただハミルトンが独走したのはボッタスの責任もあります。少なくとも同じマシンに乗っているのですから、もう少しプレッシャーをかけてくれないといけません。シーズン序盤にはいい感じだったのですが。
 
ハミルトンは歴史に名を残す大チャンピオンですから、彼に勝つのは難しい部分もあるのはわかるのですが、ここまで差をつけられると厳しいですね。
 
 
フェラーリは直線ではメルセデスより速いのですが、コーナーでは歯が立たずルクレールの三位が精一杯でした。空力アップグレードも持ち込んだんですが、フロアはあまり機能せず土曜日には取り外しました。もっともポールリカールは空力アップデートを試すには理想的とは言いにくいサーキットですが。
 
レッドブルホンダのフェルスタッペンは4位でしたが、まだまだメルセデスとフェラーリとの差は大きいですね。
 
次のオーストリアは直線の長いコースなので、フェラーリになんとか頑張っていただいて、メルセデスに勝ってもらわないと、このままでは全勝しかねないよ。