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2014 Rd.1 オーストラリアGP観戦記4 前途多難な可夢偉

可夢偉の開幕戦はわずか数秒で終了した。彼のケータハムはマッサのウィリアムズに向かって一直線。わずか数百メートルで彼はマシンから降りざるを得なかった。 原因はリアブレーキが全くきかなかったことである。これは本当に恐ろしいトラブルである。このトラブルはテスト中でも現れていた。今年からリアからのエネルギー回生量が増加した結果、モーターの抵抗も大幅に増えた。そのため、リアブレーキをドライバーだけがコントロールするのが難しくなり、システム制御が認められたのだが、今回はそれが全く機能しなかった。 だが本来ブレーキシステムはトラブルが起こっても、最低限の制動力を残さなければならない。そうしないと大事故につながり、大けがをするからである。今回、マッサも可夢偉も怪我がなかったのは幸運としかいいようがない。 これはマシンに関しても同様のことがいえ、ケータハムの開発は緻密さに欠けるし、開発スピードも遅い。暫定的と言われていたノーズも開幕戦では色を黒く塗っただけである。新しいノーズはいつから出てくるのであろうか。 これでリソースが豊富にあればまだいいのだが、リソースも決定的に不足している。そう考えるとこれからの開発も期待が持てない。 トヨタの優れた風洞施設を使用しても開発するのは人間である。優れた人材がいなければ優れたマシンは開発できないし、優れた人材がいてもそれを活かせる組織とリーダーがいないとチームは機能しない。 毎年レッドブルが優勝してつまらないという声があるのは理解するが、残念ながら勝つチームには勝つ理由があり、負けるチームには負ける理由がある。 ドライバー1人でできることには限界がある。その中でいかに可夢偉が挑戦し、成長していくのかを今年は見て行きたいと思う。

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