▽怪物ルクレールの4戦連続ポールポジション
正直に言うと今年、ルクレールがここまですごいドライバーになるとは思っていなかった。昨年から見ていて彼が並外れたドライバーであることはわかっていたのだが、後半戦のルクレールは全く手がつけられない。
フェラーリでの4連続ポールポジションはあのシューマッハ以来と言う事実をもってしてもすごいし、彼がハミルトンを0.4秒もぶっちぎってのポールもすごいのだが、これ自体はフェラーリが速いと考えれば、まあ納得いく。それでもあのハミルトンに0.4秒差つけるのは簡単なことではない。それ以上に驚くのは、チームメイトのベッテルにも0.4秒の大差をつけていることである。
ルクレールのチームメイトがアルボンやボッタスならわかるのだが、彼のチームメイトはベッテルである。ご存知の通り4度のチャンピオンで53勝をあげ、56回のポールポジション記録を持つ現代F1でも最速の1人である。その彼にこれだけの差をつけるとはさすがに想像できない。
しかも彼はアタックラップ中に2回ミスしたとさえ予選後インタビューで述べている。
更に驚くべきことは彼の冷静さである、彼はロシアGPでベッテルがチームオーダーを無視している時でさえ、冷静にピットと会話している。普通レース中のドライバーはただでさえ興奮状態なのにである。しかも会話しながらもラップタイムは落ちていない。
正直この若さでここまで成熟したドライバーを見たことがない。ベッテルとっては残念なことだが、フェラーリのNo. 1ドライバー争いはすでに決着がついている様である。
ただフェラーリも簡単にはいかない。ルクレールは今のフェラーリの現状に満足していない。普通のドライバーならフェラーリ移籍1年目で4連続ポールに2勝していればある程度は満足するだろう。だが彼はそうではない。フェラーリの実力からすればもっと勝てていたはずだし、ハミルトンとチャンピオン争いできていても不思議ではないと考えているはずだ。
だから彼はフェラーリが競争力のあるマシンを提供してくれる限りはフェラーリにいるだろうが、そうでなければ躊躇なく移籍するだろう。彼がハミルトン引退後にメルセデス移籍してもおかしくないと話せばあまりにも先の話で笑われるかもしれないが。
