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可夢偉の2015年シーズンはあるのか?

12233740523_ddff7e0427_k 2014年シーズンが終わりオフシーズンに入ったばかりであるが、可夢偉は来年もF1をドライビングができるのであろうか。読者の方の興味もそこにあると思う。 率直に言えば来年、可夢偉がF1をドライビングできるチャンスはほとんどないといえる。というのも来シーズンは今年より2チーム減ることがほぼ確実である。つまり参加するのは9チームとなる。この9チームでドライバーラインアップが決まっていないのはマクラーレンただひとつ。そのマクラーレンもアロンソとの契約が秒読み段階である。 つまり物理的なシートが余っていない状況では、可夢偉とマネージメントチームがどう頑張っても走れる機会はない。唯一の望みはトップチームが3カーエントリーした場合であるが、この3カーエントリーもどのチームが何レース3台目のマシンを走らせるのか、コンストラクターズのチャンピオンシップポイントを与えるのか、具体的な話はまだ決まっていない。 それに3カーエントリーになったとしても、各チームは若手のリザーブドライバーを抱えているので、簡単に可夢偉にそのシートが巡ってくることはない。 あとは日本のホンダがF1にカムバックしてくるので、可夢偉にもドライビングのチャンスをと日本人は思ってしまうのであるが、それも簡単にはいきそうにない。というのも各メーカーは自分達の契約ドライバーを抱えていて、例えF1に参戦しても、優先順位は可夢偉より彼らの方が高い。それに可夢偉は元トヨタの育成ドライバーだったこともあり、ホンダとの関係が深くないので、この方向も実現性はかなり低い。 2016年以降、ホンダがマクラーレン以外のチームにパワーユニットを供給する際に日本人ドライバーを乗せることを条件にPU代金をディスカウントすることも考えられるが、ここでも第一の選択肢は可夢偉ではなく、伊沢拓也であろう。 最後の望みはリザーブドライバーである。だが昨今の経済状態の悪化にともない、リザーブドライバーさえもスポンサーの持ち込みが必要な状況もあり、これも可夢偉にとって簡単な状況ではない。 これらの状況を考えると、2015年にF1をドライビングできるチャンスかなり少ない。だが実は昨年も可夢偉が置かれていた状況は今年と同じであった。この状況から昨年は12月に入り事態は動き出し、1月にはケータハムとの契約を締結することができた。 今年は昨年より2チームも減ったこともあり、条件は昨年より悪いのだが、なんとか可夢偉には頑張ってもらって、来年もコックピットで見かけることは難しくても、パドックでは顔も見たいと思う。そうして2016年に向けての交渉と情報収集をしてもらいたいと思う。