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2005 F-1 Rd14 トルコGP 観戦記

ライコネンがまたまた素晴らしい走りを見せてシーズン5勝目。 今回はライバルとなるモントーヤ、アロンソ、フィジケラの予選出走順位が比較的早かったのでライコネンは有利な状況で予選からレースへと展開できた。 スタートはレーシングラインではないフィジケラが素晴らしく先行されたが、1周目には早くもオーバーテイク。 その後は独走で、トラブルもなくフィニッシュ。 アロンソとのポイント差を4ポイント縮めることができるはずだった。 残り2周目までは。 しかし、あろうことか2位を走行中のチームメイト モントーヤは周回遅れのモンテイロをパスするときに絡んでしまいスピン。 アロンソに詰め寄られ、リアディフューザーを壊したモントーヤは、次の周でコースアウトし3位でレースを終える。 しかし、どうしてあのような事態になったのかよくわからない。 モントーヤはモンテイロがブレーキロックして、突っ込んできたと話している。 モンテイロはモントーヤが抜いた後にレコードラインに戻ってきてブレーキングしたので、避けようがなかったと証言した。 私の見解はどちらも正しいように思う。 モントーヤがモンテイロをパスした後に急にレコードラインに戻ったので、モンテイロは驚いてブレーキかけたらロックしてぶつかったのだろう。 モントーヤは完全に周回遅れのモンテイロをパスしていた。 その後、レコードラインに戻ったのはそれ以外のコースが汚れていたからだろう。 でもあそこで無理矢理にモンテイロの前に戻る必要があったのだろうか。 リスクを冒す必要があったのか、疑問だ。 モントーヤはモンテイロは周回遅れのマシンだから、ブレーキングで突っ込まれるとは思ってなかったんだろうな。 どちらにしてもマクレーレンには痛いアクシデントで2ポイントを失った。 接触の原因がなんであれ、アロンソが2位になりライコネンとのポイント差が2ポイントしか縮まらなかったのは事実。 モントーヤの活躍が今後もライコネンのチャンピオン争いで重要な役回りを演じるだけに、今回の接触は痛かった。 一方のアロンソはついていた。 無条件に、3位から2位へ浮上。 貴重な2ポイントを追加した。 今年のマクレーレンはどうもちぐはぐな感じが否めない。 一方のルノーは着実にチャンピオンに向かっている。 シーズンの流れを見ているとアロンソのチャンピオンは確定的だな。 ▽バトンと琢磨の明暗 予選では2台ともほぼ同じコーナーでコースアウトして13番手と14番手に沈んだBARの2台。 このコーナーは練習走行で他のマシンがよく飛び出していたコーナー。 その際、BARは問題なく走れていたのだが、何故か予選では2台ともボトミングが発生し、ダウンフォースを失った。 まさか車高の調整を間違っていたとは思えないが。 ところが本当の事件はその予選後に起こった。 無線トラブルの琢磨がインラップで、その後にアタックしていたウェバーの邪魔をする形になり、審議対象になった。 そして審議の結果は予選タイム取り消しで、最後尾からのスタートが決定した。 無線トラブルがどの程度の物だったのかはわからない。 全く聞こえなかったのだろうか? ただ無線でコミュニケーションが取れないのであれば、スピードを増してピットに戻るくらいの機転の速さを見せて欲しかった。 練習走行では好調だっただけに残念な結果だった。 レースでも軽い琢磨が燃料の重いバトンを抜きあぐねるシーンがあった。 順位を直接、争っていない二人なのでバトンは琢磨を前に行かせても良いはずだが、バトンは順位を譲る気配もない。 これを見ていて、琢磨のチーム内でのポジションが少し垣間見えた気がした。 バトンは完全なNo.1、琢磨は完全なNo.2。 今年の成績を見れば、二人の差は歴然だが昨年は時にバトンを上回る走りを見せてだけに残念。 バリチェロがBARと来年の契約を結んだ今、琢磨の将来に暗雲が立ちこめる。 チームメイトのバトンがバリチェロを歓迎するコメントを発している。 彼がウィリアムズへ行くのか、BARに残るのかは不明だが、琢磨に取っては心中穏やかではないだろう。 バトンがBARへ残留すれば、BARでの琢磨のシートはなくなる。 例えバトンがウィリアムズへ移籍しても、現在の琢磨は1番のオプションではないようだ。 琢磨がホンダのバックアップがあるから乗れているのは間違いない。 それは特に悪いことでもない。 ミハエル・シューマッハーも最初は持参金つきでF1のシートを得ている。 ほとんどのドライバーはそうだ。 だからそれはいい。 ただその後は自分の実力でのし上がらなければならない。 私も再三指摘しているが、琢磨はレースのウィークエンドを通じてミスをすることが多い。 予選でミスして、後方グリッドからスタートし、良い走りを見せるが入賞できないとか。 予選ではよかったが、決勝でミスをして後方に埋もれるとか。 たった一度のミスでレースを失う事もあり得るレースの厳しさがそこにある。 速くてしかも、ミスの少ない走りこそが琢磨がさらに上を目指す為に身につけなければいけない技術だ。 ▽また沈んだフェラーリ このレース中フェラーリの2台はほとんど話題にも上らなかった。 それくらい遅かった。 しかも、ミハエル・シューマッハーはハイドフェルドと接触し後退。 アクシデント自体はいつもの通りミハエルがイン側のスペースを1台分空けていなかったための事故だ。 今年のフェラーリはコースによっての出来不出来が大きい。 この不調の原因の一つはタイヤだろう。 レギュレーションが大幅に変更になると、トップチームがフェラーリだけのブリヂストンは厳しい。 今年の成績不振が全てタイヤの責任だとは思わないが、タイヤが決まらないのではマシン開発の方向性を見極めるのも難しい。 しかし、この事態を招いたのは他でもないブリヂストン自身だ。 決して他のトップチームはブリヂストンタイヤのパフォーマンスが悪いから、ミシュランに乗り換えたわけではない。 ブリヂストンがフェラーリを中心としたタイヤ開発体制をとり、それを嫌った他のチームは続々とミシュランへと流れた。 要はフェアにどのチームも平等に扱うミシュランと、フェラーリを中心に考えるブリヂストンの考え方が違うだけだ。 どちらが良いというわけではない。 昨年のようにフェラーリ&ブリヂストンがシーズンを席巻する場合もあるし、今年のようにミシュランが良いときもある。 ただレギュレーションが大幅変更されると、絶対的なテスト量の差が如実に表れてくる。 今年はフェラーリも諦めたみたいだ。 後はミハエル・シューマッハーの腕が活かせる、スパと鈴鹿での活躍が期待される。 ▽移籍情報 現時点で決まっているのはマッサのフェラーリ入りとバリチェロのBAR移籍。 マッサはフェラーリで難しいポジションを余儀なくされるだろう。 今までミハエルのチームメイトは何人もいたが、彼を打ち負かしたドライバーはいない。 マッサはNo.2契約でないことを強調していたが、チームがミハエル・シューマッハーを中心に回っているのは事実。 予選の速さでミハエルを超えないと、マッサもバリチェロやアーバインと同じ運命だ。 しかも、それはとてつもなく高いハードルだ。 マッサと交代にフェラーリを出るバリチェロが行くのがBAR。 バリチェロはBARと契約後のコメントで「BARには全てがそろっているが、勝利だけない」というようなコメントを発している。 しかし、バリチェロはこの発言を後悔するときが来るだろう。 確かにBARには強力なホンダエンジンがある。 強力なエンジンはF1で勝つ為の重要な要件の一つであるのは間違いないが、それだけでは勝てない。 ピット戦略の稚拙をはじめ、BARが勝てない理由は多々ある。 フェラーリが復活したのはミハエル・シューマッハーの力が大きいが、勝ち続けているのはジャン・トッドを中心にしたマネージメントの力が大きい。 フェラーリとBARとの差はとても大きい。 BARの本当の実力を知ったときにバリチェロは愕然とするだろう。 彼は経験があれば、BARを勝てるチームに出来ると思っているようだが、それは難しい。 バリチェロがBARのマネージメントに関与するのであれば別だが、それはないだろうから。 ▽イタリアGPプレビュー 次はF1屈指の高速サーキット、モンツァで行われる特殊なGP。 エンジンパワーが何より求められる。 マクラーレン、ルノーに強力エンジンを持つBAR、トヨタが絡む展開か。 地元のフェラーリは厳しいかな。

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