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メルセデス F1撤退の可能性

メルセデスが新しい参加協定にサインしていないことを根拠にメルセデスがF1から撤退するとの一部報道等言うか噂があります。
では本当にメルセデスはF1からいなくなる可能性があるのでしょうか。
 
撤退の可能性でいうとあると言わざるを得ないですよね。
彼らは取れるタイトルは全て取っているわけですし、今後続けても得る物より失うものの方が多いですからね。
 
では今やコロナ危機によりメルセデスだけでなく、ホンダやルノーも撤退する可能性が出てきました。
外出ができないと言うことはクルマで外出することもできませんし、クルマを買うこともできないですし、そもそも収入が減少すれば高価なクルマを買う余裕はありません。
 
ルノーもコロナ以前からクルマの販売が芳しくない状況が続いていました。
だからこれまでも撤退の噂が途絶えることはありませんでした。
今のルノーは頼みの綱の日産の業績も悪化しているので、かなり苦しい状況にあります。
フランス政府から工場の統廃合のリストラを厳しく監視されているのも経営的な足かせになります。
 
ホンダも今回F1に復帰する際にもう撤退はしないと言っていましたが、今回のコロナ危機はまったく想定できない事態ですから、業績次第では撤退の可能性もあります。普通の経営者なら業績が悪化して責任を問われれば、直接販売に貢献しないF1からの撤退を言い出す方が、投資家には受けるでしょうからね。この状況でF1を継続すると言える経営者はなかなかいないですよね。業績が悪化してもF1を継続できると言い切れるほど、肝っ玉の据わった経営者である事を望みます。
 
ただPUがなければそもそもF1は走れないので、今後はPUの開発凍結が実行されると思います。
年間の変更できるパーツ数を制限した開発は可能になるとは思います。
もともと今のPUはそのように徐々にPU開発を制限するルールだったのですが、メルセデスの優位が大きすぎたので、それが緩められた経緯もあり、もとにもどる感じですかね。
 
そうなればチームとしての参加はなくなるかもしれませんが、PUの供給メーカーとしては残る可能性はあります。
 
話を元に戻すとメルセデス自体は撤退するよりも、チームとして売却される可能性があります。
チャンピオンチームがそのまま売りに出ることなんて、滅多にはないことです。
買ってチーム名を替えればいきなり、タイトル争いできるのですから、新しいチームを立ち上げてチームを成長させて競争力を得る年月やコストを考えれば、多少高くてもメルセデスを買うという選択肢は大いにあります。
 
それでもこれだけ経済が混乱している中では、収益も見込めないF1に投資をする人がいるかという疑問もあります。
フォースインディアを買収したパパストロールは有力な買い手候補です。
来年からレーシングポイントはアストンマーチンと名前を変更すると見られますが、旧フォースインディアに投資をしても結果がでるまでには相当な年月が必要です。
そう考えると彼がメルセデスを買ってその名前をアストンマーチンと変えて、息子を乗せるという可能性もゼロではありません。
 
ただアストンマーチンはメルセデスやホンダ、ルノーと比べると売上規模が圧倒的に少ないですから、メルセデスを買収してF1活動を継続できるほどの体力があるようには見えません。
さらにパパストロールもこの経済的混乱の中で自分の資産を減らしている可能性が高いですしね。
 
そんな中で来年からマクラーレンがメルセデスのPUを利用するのは興味深いですね。
これでメルセデスはF1から撤退したとしても、PUの販売先をひとつ確保できたわけですからね。