ドメニカリの辞任を受けてのぞんだ中国GPだったが、フェラーリのマシンは大きな進化を遂げて、アロンソが今シーズン初の表彰台に登った。
これは苦しむチームにとっては勇気づけられる結果である。
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今回のフェラーリは空力のアップデートを少し持ち込んだが、それ以上にパワーユニットに関するソフトウェアのアップグレードが有効であった。これにより、フェラーリのパワーには改善が見られて、最高速も速くなってきた。
それでもマシンのパフォーマンスはメルセデスに遠く及ばない。中国GPもアロンソが1周目に順位を上げたことや、タイヤ交換の時期が良かったこと、最後のスティントでアロンソが知的な走りを見せて、タイヤをうまく持たせた事などがあり、レッドブルのリカルドを抑えることに成功した。
フェラーリのアップデート自体は成功したものの、まだアロンソの力に頼る部分が大きいのが実情である。
チームメイトのライコネンはタイヤを作動温度領域に入れるのに苦労していた。今年のピレリタイヤは、固くなり、耐久性は上がったが、温度を一定にとどめておくことが難しい。だからライコネンも新しいタイヤに交換して、グリップがあるうちはペースもよく、タイヤ温度を維持することができるが、タイヤの美味しいところを使い切るとペースが落ちて、タイヤ温度が下がってしまう。そして一度ペースが下がりタイヤ温度が下がると、もう一度タイヤ温度を上げることは難しい。
この原因の一つが上海の涼しい気温にあることは間違いないが、他のドライバーは問題なく走っている。チームメイトのアロンソが表彰台に登っているので、他に原因がないかをチームは探求中である。