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ルイス・ハミルトンの実力は本物か?

ルイス・ハミルトンが劇的な逆転劇でが2008年シーズンのチャンピオンに輝いた。 だが、このドライバーは何かと物議を醸し出しているのも事実である。 その一つが「たまたまいいマシンにのったから勝てるのだ」という話だ。 では、本当にそうなのだろうか。 ▽マクラーレンは最速だったのか? まず最初に、本当にハミルトンはいいマシンののっただけで、チャンピオンになれたのだろうか。 実際問題として、ある程度の競争力のあるマシンに乗れなければ、チャンピオンになることはできない。 それは誰もが納得するだろう。 あのミハエル・シューマッハーだって、フェラーリに移籍したときにはチャンピオンになれなかった。 だが、マクラーレンが最速のマシンだったかというと、私はそうは思わない。 今年もフェラーリが最速のマシンだったと思う。 昨年は苦手としていた低速サーキットも克服したフェラーリは、モナコでポールを取り、ハンガリーでも勝利目前だった。 本来であれば、フェラーリが敗れる理由は何もなかった。 特に前半戦のフェラーリは強く、初戦こそ落としたものの、第二戦からは4連勝を飾る。 後半戦はマクラーレンもかなり巻き返したが、それでもフェラーリのポテンシャルは高かった。 タイヤさえ上手く使えれば、フェラーリは無敵だった。 冷静に判断すれば、マクラーレンの競争力はフェラーリの次と見るのが妥当だろう。 コバライネンの成績を見るとそれが、よくわかる。 コンストラクターズのタイトルをフェラーリがとったのは、当然だろう。 だから、ハミルトンは最速のマシンでタイトルをとったわけではない。 ▽ハミルトンとコバライネンの比較 モーター・スポーツでは、違うマシンに乗って争うので、他チームのドライバーと直接比較するのは難しい。 そこで、コバライネンとハミルトンの成績を比べてみよう。 ハミルトン 5勝 98pts、コバライネン1勝 53pts。 二人の差ははっきりしている。 コバライネンは移籍一年目なので比較するのはフェアではないという声もあるだろう。 だが、本当に優秀なドライバーは移籍一年目でも結果を残すものだ。 昨年のアロンソのように。 実際、とても優れたドライバーかどうかは、競争力のあるマシンに乗せてみないとわからない。 競争力のないマシンに乗せても、ずば抜けて優秀なドライバーはチームメイトより速い場合が多い。 だが、遅くて乗りにくいマシンで攻めるドライバーはミスも起こしやすいので、結果として遅いドライバーよりもタイムが悪い場合もある。 それに、後方を走っていれば、二人の差は目立ちにくい。 それに、10位と11位ではあまり注目もされないし、結果としては大差がないが、1位と2位では大違いだし目立つ。 ▽ハミルトンの実力 競争力の劣るマシンでマッサに打ち勝ち、コバライネンに大差をつけたハミルトンの力は本物だ。 コバライネンとて、遅いドライバーではない。 私はハミルトンはチャンピオンに値する、飛び抜けた能力があるドライバーだと思う。 彼に匹敵するのは、アロンソ、ライコネン、ベッテルくらいだろう。 彼があまりにも早く、そして若くしてチャンピオンになったので、根も葉もない噂が立つのだろう。 ただ、一つ彼の弱点を上げれば、本能的にドライビングしてしまうと言うことだろう。 走っているときは、ポイントのことや相手の搭載燃料や順位などは飛んでしまうらしい。 あの抜けないシンガポールで4位を走るハミルトンは前を行くマシンにオーバーテイクを仕掛けようとした。 ポイントだけを考えれば、マッサがノーポイントだったわけだから、リスクを冒して抜く必要はなかった。 チームはハミルトンを抑えるのに懸命だった。 富士の1コーナーの飛び込みもそうだ。 マッサより前で走ることだけを考えればいいので、ライコネンを抜きに行く必要はない。 昨年のブラジルGPでもあそこまでのリスクを冒す必要はないのに、攻めてしまう。 昨年の中国GPなどは、リアタイヤがぼろぼろでコーナーを曲がりきれないほどなのに、チームから言われるまでピットインしなかった。 アロンソであれば、チームがなんと言おうと、自分の判断でピットに向かっただろう。 攻めた走りをすること自体は、攻められるべきではないが、チャンピオンを狙うのであれば、もう少し計算して走らなければならない。 それさえできれば、年齢的に見てミハエル・シューマッハーの大記録だって夢ではない。 彼の実力とはそういうレベルにあると、私は思う。

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