グッバイ!モンツァ カレンダーから消える危機
2016年まで契約の残っているイタリアの情熱と伝統のモンツァがF1カレンダーから消えるかもしれない。
F1のビジネス面を取り仕切るバーニー・エクレストンは2017年以降にモンツァがカレンダーから脱落する可能性を示唆した。
1980年を除き全てのイタリアGPを開催してきたモンツァは、2010年に現在の契約を延長している。だが彼らは2017年以降の契約を締結していない。
だがバーニーは現在の契約内容に満足しておらず、モンツァをカレンダーから外すのに充分な動機になり得る。
2016年で切れる契約について問われたバーニーは「よくないね。契約を延長することはないと思う。今の契約書は商業的に見て最悪だ。2016年が終われば、さよさらだ」
「イタリアのテレビ視聴率は他のどこよりも低い。テレビチャンネルはデジタル放送と割れていて、他にもTwitterやFacebookなどSNSのコミュニケーション手段がある。それによって、若者の注意は更にそらされている」
さてこのバーニーの発言の真意は何だろう?まず事実としてモンツァがバーニーに払う開催権料はかなり抑えられている。これは歴史のあるサーキットでF1には欠かせないと判断されているからである。もちろんフェラーリの地元トラックである事も影響している。
だからバーニーはモンツァにプレッシャーをかけて、開催権料を値上げしようとしているとも考えられる。もしくは老朽化した施設を再構築させたいのかもしれない。彼らにとってパドッククラブは売上金額は少ないが利益率の大きな、美味しいビジネスである。
もしくはモンツァでの開催中止をほのめかして、フェラーリにプレッシャーをかけて、何らかの取り引きを狙っているのかもしれない。
伝統のサーキットをカレンダーから外すと脅しておいて、FIAからフェラーリが活躍できるようにレギュレーションの変更を引き出そうしている可能性もある。なぜならイタリアGPを盛りあげるには、フェラーリが勝つのが一番手っ取り早いからである。
メルセデスが独走する状態に、バーニーが危機感を持つのも当然である。
だがバーニーが公に何かを話すと言うことは当然、その影響力を自覚していての行動なので、なんらかの意図があるのは間違いない。それが何なのかは彼のみぞ知る。そしてプレッシャーをかけられている当事者は、彼の言葉の意味が、よく理解できるだろう。
だが私はモンツァでのイタリアGPが消えることはないと楽観的である。というのもモンツァはF1カレンダーから消してしまうには、あまりにも惜しいからである。モンツァとその観客が醸し出す雰囲気は他のどのレースとも違う。
もちろんモナコGPも特別な雰囲気があるのだが、それとはまた違う特別な雰囲気のあるトラックが、モンツァである。もちろんバーニーとの交渉がこじれて、契約が切れることもあるかもしれない。だが私は1年で復活すると信じている。モンツァにはその価値がある。
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