【サーキット】
ヴァレンシア市街地コース
5.440km×57周=310.080km
昨年、初めて開催されたスペインはバレンシアの市街地を利用したサーキット。
コース上に橋があり、長い直線があるのが特徴。
基本レイアウトは低中速コーナーが中心のストップ&ゴー型のサーキットレイアウトである。
路面状態は、金曜日午前中は汚れていて、日曜日の決勝に向かい1周毎にどんどん良くなっていくので、予選最後のアタックでミスなく、タイムを出せるかどうかが鍵を握る。
追い抜きが難しいサーキットでもあるので、予選の順位は非常に重要。
グリッド奇数列の方がラバーがのっていて有利になる。
優勝を狙うには、確実に奇数列が得られるポール・ポジションが欲しい。
【エンジン】
全開率は54%と低くエンジンの負荷は少ない。
ただ、高温になることが予想されるので、温度的には厳しく、エンジンの冷却は重要となる。
低速コーナーが多いことから、立ち上がりでの低回転域のトルクの出方が重要。
【シャシー】
直線が長いため、比較的低いダウンフォースで走る。
ハード・ブレーキングが多いので、ブレーキング時の安定性が重要。
また、低速コーナーからの立ち上がりも重要であり、メカニカルグリップも必要になる。
低速からの立ち上がりのトラクションが足りないとタイムを失う。
ブレーキに厳しいサーキットの一つでもあり、ブレーキ冷却を優先してホイールカバーを外すチームもあるだろう。
【KERS】
マクラーレンとフェラーリは搭載する。
ついにハンガリーで初優勝と遂げたKERSマシンだが、このサーキットでもKERSは有効に使えるだろう。
スタートから1コーナーまでの距離が短かいが、1コーナーはほぼ全開で突入できるので、2コーナーまでに何台かかわすことができる。
ストップ&ゴーのサーキットなので、充電に問題はなく、立ち上がりで使えば、ラップタイムを縮めることは可能。
前のマシンがミスをすれば、KERSで抜くことも可能だが、ミスがなければ追い抜きは難しい。
【タイヤ】
ブリヂストンはスーパー・ソフトとソフトを持ち込む。
金曜日の時点で路面は汚れており、マシンが周回するごとにラバーがのりタイムアップしてくる。
よって決勝レースのスタート直後とフィニッシュ直前では、まったく別といってもいいくらいに路面状況が変わってくる。
低速コーナーからの立ち上がりが多いため、リアタイヤのタレやグレイニングは致命的となるので、丁寧なアクセルワークが必要。
【ピット戦略】
2ストップが基本。
オーバーテイクが難しいので、3ストップは難しい。
ストップ時間は、10秒+静止時間。
【レース展望】
ブラウンGPがタイヤ温度を上げられるかどうかが、ポイント。
気温が上がると予想されるが、路面状況は滑らかであり、タイヤへの入力は大きくない。
その為、気温が高くても、タイヤ温度が十分に上昇しないことがあり、それはブラウンGPにとって嬉しい事態ではない。
ここでバトンが勝てないと、次のベルギーは気温が低いことが、予想されるので、チャンピオンシップに暗雲が立ちこめる。
一度前に出られれば、抜けないコースなので、KERS勢もスタートで前に出られれば、ハンガリーGPに続いて勝利の可能性もあるかもしれない。
予選次第だが順当にいけば、レッドブルの二人が優勢。
逆転チャンピオンを狙うならば、ここで勝ちたい。