
このレースで一番の見所はルイスの優勝でもなく、ボッタスの2位でもない。合計すると6回にもなる2人のチャンピオンのバトルだった。ベッテルとアロンソのバトルは見応えがあった。
2人はお互いにトラックリミットを超えていると、非難しあっていたが、FIAは見事な判断でペナルティを課さずに、この素晴らしいバトルに水を差すようなことを避けた。
この2人は高速バトルでマシンをコントロールしていた。高速コーナーでは、ほんの少しのミスでも大きなクラッシュにつながる。最近、簡単に接触してペナルティを課せられるシーンを見ているだけに、本当の技術を持つ、優れたドライバー同士によるバトルは見応え充分だった。
昨年まではポールからスタートして勝利することが多かったベッテルは、マシンのお陰で勝っているとか、ポールポジションからでないと勝てないとか、いわれのない批判を受けてきたが、この日のバトルはそんな批判を吹っ飛ばすのに充分な走りだった。それでも5位にしかなれないところに今年のレッドブルの苦悩がある。
対するアロンソも走らないマシンを抱えながらのバトル。しかも思いもかけないグリッド位置を間違えた事による、5秒ストップのペナルティ。さらにアロンソは燃料をセーブしながら走行し、バッテリーの使用も制限していた。またリアウィングにも問題を抱えており、どう考えてもレッドブルを抑えるのは難しかった。だが彼は諦めずに戦い続けた。
結果は6位でしかないが、彼の前にはメルセデス勢とレッドブルだけであり、この日もアロンソは光り輝いていた。