可夢偉ピンチ!? ケータハムのシート売り出し中
先日、イタリアGP以降は可夢偉のシートは安泰の見込みと記事を書いたが、状況はもう少し複雑なようである。
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F1が夏休みの間、ケータハムの顧問を務め実質上のボスであるコリン・コレスは面識のあるドライバーやマネージャーにコンタクトを取り、ケータハムのシートに興味がないか問い合わせていた。簡単に言うとお金を出して、ケータハムからF1に出場しないかときいていたわけである。
その金額は明らかではないが、F1であるからそれほど安くはないだろう。だからコレスは気前よくお金を払ってくれるドライバーがいれば、いつでも可夢偉を交代させる意志があるとみていい。
ロッテラーがベルギーGPに出場するのがギリギリまで決まらなかったのは、他のお金を払うドライバーを探していたからである。
だが可夢偉にとって幸か不幸か、ケータハムには全く競争力がない。これはお金を支払うドライバーにとっては、おもしろくない。大金を払ってもマシンが中団の後ろの方でも走ることができればまだいいが、ケータハムで最下位を争い、テレビにも映らず、誰にも注目されないのであれば、あまりもコストパフォーマンスが悪い。
1レースだけであればお金を支払えるドライバーはいると思うが、テストもせずにいきなりF1に乗るのもリスクが高い。その1レースで全くダメなら、外部からはあのドライバーはダメだなと失格の烙印を押される可能性がある。そしてケータハムである以上、失敗する可能性は高い。
また大きな金額を持ち込めるドライバーは、すでに他のチームのリザーブドライバーとして契約しており、契約を解除(当然違約金が発生する)してまでケータハムと契約するのは難しい。
そう考えると可夢偉のシートは大丈夫そうには思えるが、安心していいほど確実でもない。今後も状況は常に流動的であり、GPの週末が始まるまで可夢偉が出場するかどうか決まらない状況が続く。
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