2014 Rd.12 ベルギーGP観戦記 ロズベルグは王者の資格がある事を見せなければならない
ロズベルグがレース序盤、自分のミスで優勝争いから一時的に後退した。レースの終盤に猛追を見せたが3秒及ばず2位であった。だが彼にも勝つチャンスはあった。そのチャンスを逃したのはベッテルを抜けなかったことにある。彼は14周目から数周にわたってベッテルの後ろに抑え込まれた。ラップタイムだけを見れば2秒以上速く走れるロズベルグであるが、ベルギーGPでのレッドブルはリアウィングを極端に薄くして、ドラッグを減らしてきた。その為、いつも最後から数えた方が速い最高速度も速かった。
その為DRSを使用したメルセデスがレッドブルを追い抜けないという事態が発生した。そうするとベッテルを抜くにはシケインの飛び込みしかない。そこで勝負を仕掛けたロズベルグだったが、タイヤをロックさせフラットスポットを作ってしまった。これで更にタイムを失い、ボッタスにも抜かれてしまい、早めのタイヤ交換を強いられた。ロズベルグはこの数周だけでも5秒以上を失っている。
もちろんここで5秒獲得したからといって、レース終盤にリカルドを抜けたとは思わない。今回のレッドブルは最高速が高かったからである。
だが今年ここまでのロズベルグの戦い方には満足できない部分もある。彼はとても速く、頭のいいドライバーである。だがこれまで偉大なドライバーが見せてきた、スーパーなドライビングをこれまでまだ見せていない。
ハミルトンが焦りを見せて自滅しているのを見ると、この後大きなトラブルがなければロズベルグがチャンピオンになる可能性も高いだろう。だが今の彼のドライビングを見ると、まだ彼を偉大なドライバーと認められない。
誰もがチャンピオンはロズベルグだと納得させるドライビングをまだ彼は見せてない。もしロズベルグが今年チャンピオンを逃した場合、どう評価されるのだろう。ロズベルグがチャンピオンを逃したとしても、でもやはりロズベルグはすごいというドライビングを見せて欲しい。
それを見せることができるのが、ベッテルに抑え込まれた場面だった。誰もが抜けないと考えた時に、その予想を覆すドライビングを見せる。そういうドライバーは例えチャンピオンになれなくても、人々の記憶に残る。
彼は今年、そういうドライビングを見せてくれるのであろうか。期待して今後のレースを見てみたい。
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