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2014 シンガポールGP観戦記 アロンソ 幻の表彰台

フェラーリのアロンソは手にしていたかもしれない、表彰台を逃した。 最初のチャンスは予選にあった。彼のセクターベストタイムをつなげると、3位のタイムだった。今回のフェラーリには、それだけのタイムを出せるポテンシャルはあった。もちろんシンガポールは1周5kmの長いサーキットでコーナー数も多く、一周をきっちりまとめるのは難しいサーキットではある。だがシンガポールでのフェラーリはその可能性はあった。結果的にアロンソはレッドブルの後ろの5位からスタートした。 次のチャンスはスタート直後に訪れた。ロズベルグがスタートできず、目の前のリカルドがインサイドのベッテルを牽制するために左に寄ったことにより、前が開けた。ブレーキングを遅らせてターン1へ飛び込んだアロンソだったが、ほんの僅かだけブレーキングのタイミングが遅かった。レッドブルの2台を抜いて、2位に浮上したがターン1のアウト側の白線を越え、ペナルティを受ける可能性があったため、直後のコーナーで彼はベッテルに順位を譲った。この時は、それほど遅らせなくてもレッドブルを抜けていた可能性が高く、惜しいチャンスを逃した。 3度目のチャンスはセーフティカーによって潰された。彼はSCと同時にタイヤ交換をしたが、2位から4位に順位を落とした。彼のタイヤ交換のタイミングは、本来であればもう少し引っ張りたかった。だがSCが入ったことにより、彼は早めのタイヤ交換を強いられた。もしこの時、アロンソがタイヤ交換をしなければ、SC退場後にタイヤ交換をしなくてはならず、そうするとSCで差の縮まった後続マシンのど真ん中でコースに戻ることになった。その場合、抜きにくいサーキットで苦しいレース展開を強いられただろう。 ソフトタイヤのウォームアップに問題を抱えていたフェラーリはSC退場後、ペースが上がらずレッドブルに引き離された。だがペースが戻るとレッドブルに追いつくことはできたが、レース終盤、古いタイヤを履き苦しむレッドブルを、パワー不足のフェラーリは抜くことはできなかった。 こうしてアロンソのシンガポールGPは4位で終わった。それでもアロンソはレースを通じて戦うことはできた。だがここはパワーの差がタイムに現れにくいサーキットである。それを考えると残りのシーズンは、それほど楽観的にもなれない。

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