2014 Rd.15 日本GP観戦記 荒れたレースで輝くバトン
荒れた天候のこの日、バトンは光り輝いた。
セーフティーカースタートだったので、ルールで全車がレインタイヤを履いてスタートした。だが2周で赤旗中断になると、雨が小降りになる。その為、セーフティカー先導の再スタート後は見る見るうちにレコードラインが乾き始める。そろそろインターミディエイトタイヤかなと思い始めたその時、セーフティカーがピットに戻るのと同時に、バトンが真っ先にピットへ向かう。
彼は一番最初にインターミディエイトを履くドライバーになった。そしてその判断は正しかった。8位からスタートして7位を走っていた彼は、この判断で3位に急上昇。表彰台を狙えるポジションについた。
その後はレースは膠着状態が続く。31周目に再びインターミディエイトに交換するが、この時ステアリング交換するためにタイムロス。レッドブルに抜かれて苦しい展開になる。
レッドブルの後ろにつけたバトンは、雨脚が強くなってきたレース終盤42周目に、またもや上位陣の先陣を切って、レインタイヤに交換。これで順位を落としたが、この直後にビアンキのクラッシュでセーフティーカーが入ったので、トップとの差が縮まれば、雨が強くなる中バトンの勝利の可能性はあった。
この時、メルセデスの2台はポジションを失う事を嫌いステイアウトした。ハミルトンもロズベルグも相手が入らないと、自分も入れない状況である。もしレースが打ち切り中止にならなければ、またもバトンが荒れたレースを勝ち取った可能性は大きかった。
だがレースが途中で終了したことにより、彼の野望は成し遂げられなかった。
勝利こそならなかったがバトンの素晴らしい判断は見事であり、彼のドライビングは勝利にふさわしかったし、少なくとも3位表彰台の価値はあった。
- 2014 Rd.15 日本GP観戦記 メルセデス 2人だけのバトル
- 【再掲】バトンが荒れたレースで強い理由