【サーキット】
シルバーストン・サーキット
5.901km×52周=306.747km
今では非常に珍しくなった中高速のコーナーを多く持つクラシック・コース。
第二次世界大戦当時に使用された飛行場に作られたので、アップダウンが少ないのが特徴である。
バンプは少ないが、路面表面は粗く、また高速コーナーが多いことから、タイヤには厳しい。
前半のマゴッツ、ベケッツ、チャペルの連続高速コーナーが見所。
ここでは、マシンのエアロダイナミクス性能が問われる。
後半の低速区間とのバランスが難しい。
今シーズンからコース後半が改修され、インフィールドセクションである「アリーナ」が追加されたが、サーキットの基本的性格に変化はない。
天候が非常に不安定であり、幾多のドラマを生み出してきた。
天候と気温次第では、番狂わせもあり得る。
【エンジン】
全開率は71%
V8エンジンになってから、全開率が59%から大幅にアップしたので、エンジンの負荷は大きくなった。
高速コーナーが多いのでトップエンドでの反応性が求められる。
【エアロダイナミクス】
中高速コーナーが続くコースレイアウトであり、エアロダイナミクスの重要度は非常に高い。
その為、エアロダイナミクスの効率がいい、レッドブルは有利である。
路面表面がスムーズなので、ザウバーにとっては弱点が出にくいサーキット。
サーキット周辺に遮蔽物がないので、風の影響を強く受ける。
エアロダイナミクスの安定性が重要になる。
【タイヤ】
ブリヂストンはソフトとハードタイヤを持ち込む。
気温が低いが、路面表面が粗いのと高速コーナーが多いので、タイヤには厳しい。
気温が低い場合、タイヤが動作温度まで上昇せず、グレイニングに悩まされる。
【ピット戦略】
1ストップが基本。
エアロダイナミクスが重要なので、前走車に接近するのが難しく、オーバーテイクは困難。
その為、タイヤのタレよりも、ライバルがピットに入ったタイミングで、ほぼ同時にピットへ向かうドライバーが多いだろう。
フューエル・エフェクトが大きいサーキットなので、レース序盤のドライビングは難しい。
ストップ時間は、16秒+静止時間。
【レース展望】
優れたエアロダイナミクスとトラクションを持つレッドブルが優勝候補。
マクラーレンも大きなアップデートを持ち込む予定で、レッドブルに対抗する。
追い越しが難しいサーキットなので、予選順位が重要。
そうすると、予選での速さが際だつレッドブル有利か。
気温や路面温度、風といった自然条件が勝敗を分ける鍵になりそうだ。
【過去5年間の優勝者】
2005 J.P.モントーヤ <マクラーレン>
2006 F.アロンソ<ルノー>
2007 K.ライコネン<フェラーリ>
2008 L.ハミルトン<マクラーレン>
2009 S.ベッテル<レッドブル>