フェラーリは元ザウバーのF1ドライバーであるエステバン・グチエレスとリザーブドライバーの契約をしたことを発表した。チームがお金を持ち込むリザーブドライバーと契約すること自体は、最近のF1では何も珍しくない。だがチームがフェラーリとなると事情は少し異なる。
彼らはこれまでスポンサー収入も潤沢にあり、親会社からのバックアップもされていると考えられていた。だから他のチームはいざ知らず、フェラーリだけには資金難という言葉がないと思われてきた。
だがここにきてフェラーリも少し風向きが変わってきたようである。まず最初にフェラーリの親会社であるフィアットが上場した。これにより親会社からのバックアップが縮小し、チームは独立採算制を求められるようになってきた。
さらに大枚をはたいて4年連続の世界チャンピオンであるベッテルと契約した。この負担も大きい。
さらにチームは旧体制で契約した高給取りの上級エンジニアを次々に解雇している。これには当然、成績が良くないという理由もあるが、費用対効果を考えての判断であるといえる。海外からスカウトしてきた優秀なエンジニアとフェラーリに雇用されているイタリア人社員とは給与の額に大きな開きがある。
さらにここにきてエイドリアン・ニューウェイがフェラーリへ移籍するのではないかという噂も出てきている。レッドブルのエイドリアン・ニューウェイをフェラーリは引き抜くには、当然違約金や契約金も莫大な費用になることは簡単に想像できる。ニューウェイを引き抜くことを前提にしていたのであれば、ベッテルがフェラーリと契約したことも、理解できる。
そしてフェラーリはさらに元トロ・ロッソのベルニュとテスト・ドライバーの契約を締結したことを発表した。はたしてフェラーリのリザーブ及びテスト・ドライバーは総勢で何人になるのであろうか。