今年最初のテストであるヘレステストでフェラーリは4日間中3日間でトップタイムを記録した。残りの1日もトップタイムをマークしたのはフェラーリのPUを搭載するザウバーである。
フェラーリファンなら期待してみたくもなる。では今年のフェラーリは期待できるのであろうか?
正直言うとこの時点では何ともいいようがない。というのも最初のテストで各チームがするのは、まずシステムチェックやPUの動作確認、風洞と実走行時の空力の値の確認など、本当に基本的な部分だけである。
ルノーはPUの全力をまだ出していないと明言している。これはまずは80%ほどでPUを使用してトラブルを回避し、走行距離を延ばしてデータを収集して、開発を進めるためである。ルノーも打倒メルセデスのために、多くのトークンを使用して開発してきているので、まずは信頼性の確保が最優先課題である。ルノーは次回のバルセロナテストでPUの90%ほどを使用する予定である。
また搭載燃料の量も各チームでバラバラである。ご存じのようにF1マシンは10Kg軽くなると約0.3秒ほど速くなるので、この燃料の重量はタイムに大きな影響を及ぼす。
それにヘレスのテスト時期はとても寒くピレリタイヤが適切な動作温度領域になるのが難しく、ここでも本当の性能を測るのは難しい。
ヘレスのサーキットレイアウトも現代の空力F1の性能を測るのに適していない。
本当のパフォーマンステストをするのは最後のテストになるだろう。
そしてフェラーリファンには不吉なデータもある。昨年のヘレステスト初日にトップタイムを記録したのはライコネンである。今年も同じ事が起きないように願いながら、このコラムを終わりにしよう。