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2013 Rd.8 イギリスGP観戦記 タイヤに揺れたイギリスGP

 ▽荒れたイギリスGP
ついに恐れていたことがおこってしまった。レース中ピレリのタイヤが4度バースト。4人のドライバー共に無事だったのは不幸中の幸いだったのだが正直、最後までレースをやるべきかどうか疑問であった。
その前兆は土曜日にあった。ペレスのマクラーレンの左リアタイヤがターン9通過直後にバースト。マクラーレンのコメントを見ると何の前兆もなしにバーストしたようだ。この時タイヤを調べたピレリはサイドウォールにカットが見つかったので破片か縁石で傷つけたのが原因でないかと発表した。だがマクラーレン側はペレスは縁石に乗っていないと発言。だがこの時点ではピレリの発表は信頼することができた。というのも彼のタイヤはターン9を過ぎた直後に一瞬で破裂しているからだ。これほどまで急激に破裂するのはなんらかの外傷がタイヤにあったとしか考えられない。もう一つタイヤ自身の問題も考えられたのだが、何の外傷もなしにあれほど激しく破裂するタイヤというのも考えにくく、この時点ではまだ判断するのが難しかった。
▽続出するタイヤバースト
そしてむかえた日曜日の決勝レース。トップを走るハミルトンの左後輪が8周目にバースト。そして10周目にマッサの左リ アタイヤがバースト。この時点で危険を察知した各チームは予定より早くタイヤ交換を実施。この問題がハミルトンやマッサ特有の問題か自分達にも起こり得る 問題か確認するためにタイヤを調べた。すると何台かのマシンにはサイドウォールにカットが見つかった。つまりこれは破片やドライバーやチーム独自の問題で はなくタイヤの問題である疑いが濃厚になった。

そして14周目にタイヤ交換せずに走っていたベルニュの左リアタイヤがハンガーストレートでバースト。これで疑惑は間違いなくタイヤの問題であることが明確になった。

正 直この時点でレースは赤旗中断にすべきだったと思う。バーストしたドライバーは卓越した技量で何事もなくマシンを止められたが、タイヤの破片が後続ドライ バーの頭を直撃したら、怪我だけで済まない可能性もあり、死傷者のでる大事故につながる可能性も少なからずあった。無事にレースが終えられたのは、単純に 幸運だったというだけだ。実際、FIAのチャーリー・ホワイティングは赤旗中断のレース打ち切りも考えていたことを明らかにしている。

▽待たれる原因の特定と対策
タ イヤバーストの問題は現在、ピレリが調査中である。今週中にはその評価結果が発表される。問題の全てではないにしても、今年のタイヤ構造にその一因がある のは明らかで、その対策が待たれる(でなければピレリがタイヤの構造を変更するとは言い出さない)。とはいえ今週末にはドイツGPが開催される。ここで使 われるタイヤは既に搬出済みであり、新しい構造のタイヤを使うことは不可能である。タイヤの内圧をいつも以上に高くして乗り切らざるを得ない。

ド イツGPの舞台となるニュルブルクリンクは、ストップアンドゴー型のサーキットであり、タイヤへの負荷はシルバーストーンほど厳しくないし気温も低いの で、問題がおこる可能性は低い。とはいえこれは抜本的な対策とは程遠く安全性が確保されていない中で、レースが開催される是非は問われることになるだろ う。もしフリー走行でタイヤのトラブルが起きた場合、予選決勝の開催も危ぶまれる。

▽明暗分かれたニコとアロンソ
今回はタイヤが 話題の中心でレースについては、触れられなかった。ハミルトンが完走していれば彼が優勝していただろうし、ベッテルもまた同じである。ニコは最後のセーフ ティカーが入る前にタイヤの振動を訴えており、タイヤ交換の時期を探っていた時に幸運にもセーフティカーが転換されたので、ベストのタイミングでタイヤ交 換ができた。一方のアロンソはセーフティカーがでる直前にタイヤ交換してしまい最悪のタイミングとなった。それでもフレッシュなタイヤで三位まで追い上げ たが、タイヤ交換の時期がいれ違っていたら、結果もまた違っていたかもしれない。

今日は誰も怪我がなくレースを終えられた幸運に感謝したい。

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