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富士でF1開催か?鈴鹿はどうなる?

来年以降、富士スピードウェイでF1を開催する話しが進んでいる。 トヨタ自動車の渡辺社長がそう語った。 2007年以降に開催する方向で交渉が進んでいるようなのだが、そうなると30年ぶりの富士でのF1GP開催になる。 オールドファンには懐かしい富士でのF1が開催されたのが76,77年。 ニキ・ラウダ、ジェームズ・ハント、マリオ・アンドレッティ等々のドライバーが活躍していたあの時代以来となる。 しかし、そうなると気になるのが鈴鹿でのGPだ。 鈴鹿では1987年以降20年間にわたりF1が開催されてきた。 GPシリーズの中でも屈指のドライバーズ・サーキットとして知られており、昨年はライコネンとアロンソの素晴らしい走りで盛り上がった名コースだ。 私は鈴鹿をスパ、モナコと並ぶ三大名サーキットだと思っている。 では富士でのF1開催となると、鈴鹿でのF1がなくなってしまうのだろうか? 現在、F1は年間19戦開催されている。 バーニー・エクレストンはもう少し開催数を増やしたいようだが、チーム側は反対している。 そうなると鈴鹿はなくなるか、もしくは富士と鈴鹿で交互に1年づつ開催するかしか方法がない。 バーニー・エクレストンとしてはこの二つのサーキットを競わせて、より多くの金を巻き上げようという魂胆なのかもしれないが、鈴鹿がGPから消えるというのは果たして日本人ファンに受け入れられるのだろうか。 富士スピードウェイは確かに、良いコースに生まれ変わった。 しかし、日本において鈴鹿はF1の聖地である。 中島悟が活躍し、鈴木亜久里が表彰台に上り、佐藤琢磨が激走したのは鈴鹿だ。 セナが感動の涙を流したのも、ライコネンが大逆転優勝を果たしたのも鈴鹿である。 近年、良いコースと言われてきたサーキットが続々とGPカレンダーから外されてきた。 F1GPを開催するサーキットは広いピット、広大なランオフエリア、最新のプレスルームが必要となった。 どれも巨額の投資が必要な設備だ。 その結果、古き良きサーキットからF1は去り、新しく安全面も素晴らしいF1サーキットで続々と新設された。 しかし、レース自体のおもしろみは減った。 明らかにレースはおもしろさを失いつつある。 これはサーキットレイアウトだけの問題でないのは、承知している。 マシンにも問題はある。 だがいつの年も、モナコやスパ、鈴鹿でのGPはエキサイティングなGPとなる。 レース展開自体は面白くなくても、やはり見ていて面白いのだ。 近年、シルバーストーンやスパでのGP開催が資金面で行き詰まりを見せつつある。 果たしてこれらのクラシックコースでのF1がなくなったとしても、それを伝統あるF1と呼ぶことがふさわしいのか? フェラーリとモナコさえあれば他に何もいらないのか? テニスやゴルフで4大大会がなくてはならないように、私は伝統あるコース、チャレンジングなコースをカレンダーから外すことには反対だ。 この問題、鈴鹿はホンダのコース、富士はトヨタのコースと言うことで更に話しがややこしくなっている。 商業的に見れば、ホンダとトヨタの本国であり、佐藤琢磨とスーパーアグリのF1参戦で盛り上がっている日本で年間二戦開催するのは大歓迎だろう。 果たして富士F1開催時に、鈴鹿がどうなるのか。 できれば春に富士、秋に鈴鹿と分けてもらえるのが一番良いのだが。 そうなると開催数を増やすか、どこかのGPを削減しなければいけない。 どちらにしても、これからの交渉が長く厳しくなるのだけは間違いない。

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