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映画「RUSH」を10倍楽しくみる方法5

ハントは77年もマクラーレンで走り3勝を挙げるもリタイヤも多くランキング5位に終わる。 79年新興のウルフに移籍するも戦闘力のなさに嫌気がさしシーズン途中で引退。前年からグランドエフェクトカーが全盛期になり、ドライバーの力ではなくマシンの力で勝負が決まる状況に嫌気が差したとも伝えられている。ハントはそのキャリアで10勝上げているが76年と77年の2年間だけで9勝を挙げている。短期集中型のドライバーである。 ハントはその後、BBCのF1解説をするが歯に衣着せぬコメントで我々を大いに楽しませ、大いに物議を醸し出した。45歳、心臓発作で死亡。 ラウダはその後もF1に関わり続け、フェラーリのアドバイザーやジャガーに関わり、現在はメルセデスの非常勤取締役としてパドックに姿を見せている。ちなみにラウダの飛行好きは有名で自分自身の航空会社を二度も設立している。飛行機好きのF1ドライバーはたくさんいるが、後にも先にも航空会社を作ったのはラウダだけである。 性格的にも正反対の二人が名門フェラーリと新興マクラーレンをドライブし、チャンピオンを争った時代。この年代は今振り返っても素晴らしい時代だったのではないだろうか。もっとも昔はよく見えるとも言われるし、年寄りの戯言にはつきあっていられないと言われない前に、この文章を終わらせよう。 追伸: 予告編を見る限りこの映画の映像は信じられないほどリアリティがあり、現代に作ったとは思えない。アポロ13号を作製したロン・ハワード監督であるから、その手腕は見事なものである。私が子供の頃に「ポール・ポジション」というF1をドキュメンタリーで取り扱った映画があり、父にせがみ連れて行ってもらった記憶が鮮明に残っている。この話がわかるあなたの年齢を私は知っている(^^)。 「RUSH」を見ると今も昔もF1はドライバー同士、人間同士の争いだったことがよくわかる。当時は、今よりドライバー同士の関係は濃密で、今のF1は洗練されてイヤな部分を見せないようにしているが、昔はインタビューもざっくばらんで広報などいなかったし、適当でおもしろくいい時代であった。昔は自分の乗る遅いマシンを「××」というドライバーも普通に存在した。今のF1ドライバーも昔と同じで個性的だと思うのだが、それを管理して面白くなくしている。実に残念だ。 当時、F1は見るものではなく、読むものだった。テレビ中継はなく、年に一度くらいのNHKニュースで放映されるとかぶりつき状態だったのをよく覚えている。東京では年に一度ほど録画放送が流れていると聞き、私は上京したくらいである。 だからF1の結果を知るのはレースの1ヶ月後にオートスポーツを読んだ時で、しかも速報レベルである。それでも発売日が待ち遠しかったことも覚えている。 「RUSH」は70年代のF1を知るオールドファンの為の映画である。しかしこれまでも述べてきたようにセナとプロスト時代以前のF1を知るいい機会でもある。そして何より2人の素晴らしいスポーツマンのストーリーでもある。ぜひ今の若いファンにもこの映画を見ていただきたい。現代のF1は昔のF1と一つの歴史でつながってる。それを知れば、今のF1ももっと楽しめると思う。

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