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ハミルトン 波乱のチャンピオン決定 メキシコGP観戦記

Großer Preis der Mexiko 2017, Sonntag – Wolfgang Wilhelm

このレースで4回目のチャンピオンを決めたハミルトンだったが、レース自体は波乱に満ちていた。
 
予選ではベッテルとフェルスタッペンに先を行かれたが、5位でもチャンピオンが決まるハミルトンにとって三位スタートは悪くはなかった。
 
スタートはベッテルとフェルスタッペン、ハミルトンはほぼ互角。だがこのサーキットはスタートからターン1まで1000m弱あるのでスリップストリームが使えてしまう。ベッテルのスリップを使ったフェルスタッペンはベッテルの右コーナーのアウト側から襲いかかる。並んだ状態から左コーナーであるターン2へ。ここではフェルスタッペンがインになりベッテルをオーバーテイク。だがこの時にベッテルの左ウィングとフェルスタッペンの右リアのタイヤが接触。そして次の右コーナーであるターン3の立ち上がりでベッテルを抜いていたハミルトンの右リアとベッテルの左フロントウィングが接触。ベッテルは左フロントウイングを壊し、ハミルトンの右リアはパンクしてしまった。
 
ベッテルはフェルスタッペンと接触した時点で、故意にチャンピオン争いをしているハミルトンにぶつけたのではないかと疑われた。ハミルトンは無線でそのように言っていた。
 
だがスロー再生を見るとフェルスタッペンと接触したベッテルの左フロントウイングはそれほど大きく損傷しているわけではなく、もしハミルトンに接触していなければ、多少ペースは落ちたかもしれないが、そのままレースが続行できていた可能性が大きい。であればベッテルが故意にぶつける理由はない。
 
VTRを見るとベッテルはフェルスタッペンに押し出される形でターン2出口アウトの縁石に乗り上げており、その反動でタイトなターン3を曲がりきれなくなり、ターン3のアウト側に向かいハミルトンと接触したように見れる。
 
だがどのような理由にせよ上位3台のうち二台がスタート直後に遅れるのは、レースとしての興味が下がることは間違いない。もしかしたらベッテルと接触したフェルスタッペンのタイヤもパンクしていた可能性もあり、その場合は上位3台が消える可能性もあったわけで、それは誰も望まない結果である。