2014年の第4戦として開催される中国GPのタイヤ戦略を予想しよう。
【タイヤ】
ピレリタイヤはソフトとミディアム・タイヤを持ち込む。これは今年3回目のタイヤペアである。
ミディアムは作動温度領域が低く中国の低い気温にはあう。ソフトの作動温度領域は高い。その為、ソフトタイヤはグレイニングに見舞われる機会が多くなる。
二つのタイヤの予想タイム差は1秒以上で、タイヤ選択は悩ましい。だがレースでのタイム差は少なくなると予想される。特に気温が低い場合はタイヤ選択は難しい。
同じタイヤセットだったメルボルンではソフト、ソフト、ミディアムの2ストップがメインの作戦だった。オーストラリアGPでのタイヤ交換時期は12周と36周で、ミディアムタイヤはオーストラリアGPでは20周前後走れた。
メルボルンよりは高速コーナーが多いが、セパンほどは多くない。気温はより低く、摩耗率は平均レベル。マレーシアと違い、フロントタイヤが重要な鍵を握る。フロントタイヤの温まりが特に予選では重要。
長い直線でタイヤが冷えると、ターン14が難しくなるので、タイヤを冷やさない対策が必要。
フロントタイヤは大きく曲がり込むコーナーで左フロントタイヤに大きな負荷がかかる。ただしリアタイヤのタレには気をつけないと、コーナーの後に続く長いストレートでオーバーテイクされる可能性が高い。
予選ではフロントのタイヤを素早く温めたいので、タイヤへの負荷が高いマシンは有利。
【ピット戦略】
ロスタイムは19秒+静止時間(約22秒)。
昨シーズンの勝者は2ストップであった。
チームのシミュレーションによると2ストップは3ストップよりも数秒速いが、最後の数周はタイヤが苦しくなる。
ここは追い抜きが比較的容易であり、トラフィックはそれほど大きな問題にはならないので、単純に最も速い戦略を選択できる。
ただしメルセデスのパワーユニット搭載車はストレートが速いので、レッドブルやフェラーリは、ウィリアムズやFインディアに苦しむ可能性がある。
ターン1は右に大きく回り込むコーナーで、左のフロントタイヤに大きな負荷がかかる。この左フロントタイヤがタイヤ交換時期を決める。
ウィリアムズとフェラーリはタイヤのタレが厳しいので、3ストップの可能性がある。メルセデスはマシンも速いが、タイヤの持ちもいいので、2ストップは可能。
昨年よりコンパウンドは固く、タイヤ戦略面で見ると今年の中国は非常に興味深い。