2014年の保守的なタイヤ選択を変更する可能性をピレリが認めた。
今シーズン、ピレリは昨シーズンよりも固いコンパウンドのタイヤを投入した。これは今年導入されたターボエンジンとERSによる大きなトルクからタイヤを守るためである。
昨年のピレリは柔らかいタイヤ構造を導入した影響で、タイヤのバーストが集中して発生し、シーズン途中にタイヤの構造を変更することを強いられた。
エンジンルールの変更で、チームはシーズン前半をパワーユニット関連のトラブルに集中すると見られていたが、想像より早く信頼性の確保ができた。スペインGPでのリタイヤはわずかに二台である。
その為、いくつかのチームは通常通り、タイヤの使い方を考える余裕がでてきた。それもあり、昨年のスペインGPよりも2回もピットストップが少なくなってしまった。
また固すぎるコンパウンドはうまく動作させることが難しく、グリップ不足に悩まされたチームやドライバーも複数存在した。
ピレリはこれらの状況を調査分析し、必要があればより柔らかいコンパウンドのタイヤを、レースに持ち込むことを検討する。
ただこれは現状のコンパウンドを変更するのではなく、今あるコンパウンドの中で、持ち込むタイヤの種類をより柔らかい二種類にするという意味である。
リヤタイヤに厳しいカナダGPとタイヤへの負荷が大きいイギリスGPが終わり、ピレリの分析が終われば、シーズン後半には昨年並みのタイヤ交換が繰り広げられるかもしれない。
それがメルセデスの独走へ大きな影響力を与えるとは思えないが(彼らのタイヤの寿命はライバル達よりも優れている)、退屈になるがちなシーズンに少しのスパイスをきかせてくれることを期待しよう。