2005年F-1 Rd3 バーレーンGP 観戦記 決勝
トップ3のスタートはまずまず。
ミハエルがいつものように蛇行して、ツゥルーリを牽制し2位で1コーナーへ突入。
しかしツゥルーリも負けてはいない。
アウトからミハエルをかぶせる。
結局、次のコーナーでミハエルに前に行かれたが、意地を見せたツゥルーリ。
いい走りだったね。
ミハエルはアロンソをぴったりとマークして周回を重ねる。
ミスの許されないアロンソだが、ミハエルをなんとか押さえて走る。
しかし、先につぶれたのはミハエル・シューマッハーだった。
ハイドロのトラブルでシフトダウンができず、大きくコースアウト。
バリチェロのトラブルと同じかどうかは不明だが、トランスミッション関係でのトラブル続出。
F2005で失われたダウンフォースを取り戻すためにフェラーリはトランスミッションのケースを小さく軽くしてきた。
そのためのトラブルだと思われる。
バリチェロも終盤、大きくペースを落とし結局、入賞を逃してしまった。
バリチェロは4秒から5秒も遅かったのでタイヤというより、なんらかのマシントラブルと見る方がよさそうだ。
でもニューマシンを2台に投入したのだから、これはフェラーリにとっても想定内だろう。
すくなくともミハエルはアロンソに迫れる速さを見せたのだから、大きな収穫だ。
ブリヂストンはバリチェロのペースが上がらなかったので、効果的なデータ収集はできなかったかもしれないが速さはある。
次からは涼しいヨーロッパラウンドに突入するので、フェラーリ&ブリヂストンの本格反攻はサンマリノから見られそうだ。
次のGPまで3週間あるのも有利な点だ。
予選では冴えなかった琢磨だったがスタート直後に順位を大きく上げて8位を走行。
ミハエルのリタイヤなどで順位をさらに上げていく。
しかし、途中からペースが上がらず後続に迫られる。
明らかに左フロントタイヤからブレーキング時に異常な量のカーボンダストをはき出している。
結局、ブレーキトラブルでコースオフしてレースを終える。
ブレーキの冷却不足が問題と解説していたが、明らかに左側フロントから大量のカーボンダストがでていたので、きっとトラブルはメカニカルなモノではないかな?
詳細はよくわからないが、ペダルを離してもブレーキパッドが完全にローターから離れずに微妙に接触していたとか。
だって冷却が問題だったら右側からも同じ量のダストがでなきゃ理屈があわんだろうが。
左側タイヤに厳しいサーキットは聞いたことあるがブレーキはないだろ。
バトンも入賞圏内を走りながら、ミッショントラブルでリタイア。
予選での速さもなく、2戦連続で2台ともトラブルでリタイアするとは、シーズンオフに何をやっていたのかと言われても仕方ないよ。
とにかく完走できるマシンを作り上げないとこれからも厳しい戦いが続きそうだ。
さて今回も最もいかしたドライビングを見せてくれたドライバーに送るMVDを選出しよう。
今回は文句なしにペドロ・デ・ラ・ロサに送らせてもらう。
急遽、ピンチヒッターとして乗り予選でライコネンを上回り、決勝ではオーバーテイクを連発。
しかもバーレーンのコースは初体験だったのに、素晴らしい。
このGPは君のためのGPだった。
次から君の姿が見られないのは少し残念だ。
でもシーズンオフの移籍市場で君の名前は出てきそうだね。
予選でクルサードを大きく上回ったクリエンは、無念にもスタートできずにリタイア。
レッドブルの入賞するパターンである、予選で上位につけ後続を押さえて入賞するパターンの再現が見られると思っただけに残念。
最終的にクルサードがバリチェロを逆転して入賞したので、連続入賞は続いたが彼にとっては本当に惜しいレースだった。
ところで本当にレッドブルはクリエンを交代させるつもりなのか?
まぁ、私も昨年までのクリエンを見ていてすごいドライバーだとは思わなかったが、今年はちゃんと結果を残している。
これで交代させるなんてことしたら、チームの士気が下がってやばいような気がするけどな。
さて、序盤の3戦を見てきて今シーズンの行方が見えてきた。
まずルノーは今のところ敵なし。
ストレートも速く、コーナーも速く、タイヤの持ちもいい。
コーナーが速く、タイヤに優しいのは去年までもあったが、今年はストレートも速い。
アロンソは絶好調で貫禄すら漂わせる。
だが、トラブルがないわけではない。
今のところフィジケラに集中しているだけ。
ヨーロッパラウンドでライバルの反撃を跳ね返せればタイトルが見えてくる。
その他ではトヨタが素晴らしい。
全然期待していなかったがツゥルーリの連続表彰台は素晴らしい。
昨年のコラムでも指摘してきたがドライバーの才能はF1では決定的な役割を果たす。
確かに今年のトヨタのマシンは素晴らしい。
だがどんな素晴らしいマシンがあっても、素晴らしいドライバーがいなければ力が全て出し切れないのだ。
それは昨年のバトン、今年のアロンソ、そしてミハエルを見ていればよくわかる。
マクラーレンは予選でうまくタイムが出せずに結果を出すのに苦労している。
マシン自体は良さそうなので、ヨーロッパラウンドでは巻き返してきそうだ。
ウィリアムズは可もなし不可もなし。
特別速くはないが、遅いわけでもなし信頼性も素晴らしいわけでもなければ、悪くもない。
早く調子を上げてこないと昨年みたいに初優勝が最終戦などということになりかねない。
レッドブルは速さはそこそこだが、信頼性のあるマシンで連続入賞継続中。
ジャガーよ、去年まで何やってたの?
BARはスピードはないし、信頼性もなし。
今のところ出口が見えない。
フェラーリは新マシン投入で少し明るさが見えた。
サンマリノから反撃開始かな。
レギュレーション変更でおもしろいレースが続いているF1だが、今のところ上位チームではBARが唯一の負け組となっている。
3週間の間にどこまで立て直せるか。
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