Q「琢磨、F1をドライブするのは久しぶりです。F1のコクピットに再び戻ってきてどんな感じですか?
佐藤琢磨(以下TSと略)「本当にうれしいです。この6~7ヶ月はF1マシンをドライブしていませんでしたし、9月のトロ・ロッソのテストは雨で、午前中のたったの3時間しか走れませんでした。でも、マシンの挙動に関しては理解できました。なので、今回の1日半のテストではチームと働くことに集中できましたし、本当に楽しむことができました」
Q「スーパーアグリでスペインGPでの最後のレース以来、どう過ごしていましたか?他のF1のシートを獲得するのを諦めましたか?
TS「諦めませんよ。いつも希望はありました。F1を引退する気はありませんし、マネージャーも僕をF1のコクピットに戻れるようによく働いてくれていますし、トロ・ロッソにもこの機会を与えていただき感謝しています。後はチームが決めることです。テストには興奮しましたし、できれば2009年 F1に戻りたいですね。
Q「スーパーアグリの撤退をどう受け止めましたか?最後まで白馬の騎士が助けに来てくれるという希望はありました。
TS「僕たちが常に厳しい状況にあったのは、みんなが知っていました。でもこのような形で終わるとは思ってもみませんでした。
チームとは最初から一緒でしたから、とても悲しい瞬間でした。
小さいチームでしたが、とても競争力がありました。
経済的な状況はいつもギリギリでしたから、プライベート・チームとして生き残るのは厳しかったのです。
でも、その状況を受け入れるしかありません。
撤退は残念でしたが、多くの元スーパーアグリのメンバーが他のチームにいるのをパドックで見かけるのは、僕たちがいい仕事をしたからだと思います。でなければ、他のチームも彼らを雇わないでしょう。
Q「9月のヘレス・テストの後で、再びトロ・ロッソのシートを争うために招待されたと言うことは、いい印象を与えたと言うことですよね」
TS「当初は9月のテストは予定されていませんでした。でも機会が訪れました。F1に戻りたい人間がしなければいけないことは、準備することです。
私の印象としては、相性は良かったです。そして、それが今回のテストへとつながりました」
Q「チームには二つのコクピットがあり、三人のドライバーがそれを争っています。どの程度チャンスがあると思いますか。
TS「本当にわかりません。そのことを考えていないと言えば、嘘になります。僕たちはF1のコクピットを争っているのでプレッシャーはありますが、私にできることは、エンジニアと密にコンタクトし、チャンスをつかみ取れるように、最高のパフォーマンスを見せることです。
また、彼らと会いたいですね。それ以上のことはできません」
Qあなたは候補者の中で最も年齢が高く経験豊かです。それは、有利でしょうか?
TS「それはチームがドライバーに何を求めるかによります。もし、彼らが経験とスピードを求めるならば、私は100%以上それを証明しました。
今は彼らの決断を待つだけです。
Q「あなたは、モンツァでの予期せぬ勝利により、レッドブルやウィリアムズ、ホンダより上位のコンストラクターズ選手権6位になり、F1世界を驚かせたマシンをテストしました。このマシンは今までドライブしたマシンの中で最高だったのではないですか?」
TS「私は他のチームを尊敬しているので、他のマシンを判断するのは適当ではないでしょう。でも確かに、これは私がドライブした中で最高のマシンです。それはスピードを見ればあきらかでしょう。STR3をドライブするのは本当に楽しかった。トロ・ロッソは大きなチームではありませんが、今シーズン後半、パフォーマンス面で大きな進歩を遂げました。このテストによって、チームがどのように機能しているのか、彼らがどのようにして大躍進を遂げることができたのかを、垣間見ることができました。
Q「このテストの後は、来シーズンまで待つことになります。トロ・ロッソのシートに座れるかどうかはいつわかるのですか?」
TS「トロ・ロッソが急いでいるとは思いません。私の推測では今年の終わりか、もしかしたら来年の初めではないでしょうか。自分の仕事を終えた、今の私にできるのは待つことだけです。
Q「もし、シートが得られない場合、別のプランがありますか?」
TS「正直に言うと、今のところありません。F1に戻れる可能性を常に求めています。でもチャンスがゼロならば、他のカテゴリーのレースも考えなければならないでしょう。でも、そうなるまでは、別のプランは考えたくありません。