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2009 Rd7 トルコGP観戦記 Part1 ベッテルの挑戦

七戦六勝。 これでバトンは、2004年ミハエル・シューマッハーが成し遂げた記録に並んだ。 この年、ミハエル・シューマッハーが圧倒的強さで、チャンピオンになったことを記憶されている方は多いだろう。 バトン&ブラウンGPの圧倒的な速さの前に、他のチームは為す術がない。 確かにトルコは、ブラウンGPに最適のサーキットであった。 高速区間に低速区間が組み合わさった、イスタンブール・サーキットはブラウンGPの為に、作られたようなサーキットであり、1-2フィニッシュしなかった方がおかしかったくらいだ。 そんなブラウンGPの牙城を崩すべく、ベッテルは予選から果敢に挑戦した。 過去三レース、予選で失敗して偶数列スタートを余儀なくされたベッテル。 スペインとモナコでは軽めの燃料搭載量でポール・ポジションを狙いながら、ミスやトラフィックで逃し続けた。 今回は、最後のアタックで逆転のポール・ポジション。 バトンに対して一矢を報いた。 ベッテルの搭載燃料は、バトンより二周少なかった。 だが、これは仕方がない。 トルコで無敵のブラウンGPより前に出るには、燃料搭載量を少なくするしかない。 レッドブルは、ブラウンGPとのパフォーマンスの差を正確に計算して、6Kg(2周分の燃料)軽ければポール・ポジションを取れる読んできた。 そして今回は、ベッテルもそれに答えて素晴らしい走りを見せた。 これまでは、ブラウンGPとバトンがやってきた緻密なレース戦略と正確な走りをやり返して見せた。 この点、トップ争いをする中でレッドブルも確実に成長してきた。 だが、ブラウンGPも二周分多い燃料搭載量で予選二位・三位を確保。 最初のピットストップでベッテルをかわすことが可能なポジションにつける。 ベッテルの狙いは、軽い燃料搭載量でポール・ポジションを取り、路面状況のいいサイドからスタートし、第一スティントでプッシュしてリードを取ることだった。 そして、偶数列グリッドのバトンがスタートで出遅れて、他のマシンが前に出れば、ベッテル勝利の可能性は高くなる。 ベッテルは目論見通り、いいスタートを見せて、トップで1コーナーに飛び込む。 だが、偶数列グリッドのバトンも負けてはいない。 ストールしかかったバリチェロが後続のマシンの邪魔をしたことにも助けられて2位で1コーナーへ向かう。 そして、ここからベッテルとバトンの最速バトルが見られると思われた。 だが、ベッテルがターン10で大きくふくらんでコースアウト。 この間にバトンは、ベッテルの前に出て労せずしてトップに立った。 考えに考え抜いてポール・ポジションを取ったベッテルだったが、このミスで全てが水の泡になった。 このミスは強い追い風により、マシンのバランスを崩したのが原因のようである。 実際、バトンも同じコーナーで、大きくマシンを修正している。 普段、ほとんど修正しないバトンがここまで、修正するのは、強い追い風が実際にあったからだろう。 また、レッドブルはブラウンGPのマシンよりエアロダイナミクスに依存する部分が大きいので、強い追い風に対して敏感であると考えられる。 そして、2位のバトンを引き離さなければならないという強いプレッシャーが、彼の走りを乱した。 その後もこの二台は別次元の速さを見せつけ、後続を離していたので、ベッテルのミスがなければ、もう少しレースはおもしろくなっていた。 ベッテルのミスがなくてもバトンが勝った可能性は高いが、それにしても痛いミスだった。 開幕戦での接触リタイヤ、モナコでもミスからコースアウトしてリタイヤしたベッテル。 まだまだ、若く成長途上のドライバーだけに致し方ない面はある。 この年齢でポイントを考えて、走るというのも寂しい。 ただ、チャンピオンシップを考えるとミスは許されない。 特に相手が最速ブラウンGP&バトンであるならば。 結果的にベッテルは、3ストップ作戦を選択し、三位に終わったが、ベッテルにとっては、最速ブラウンGP&バトンに挑戦しての結果である。 彼の挑戦がなければ、もっと退屈なレースになっていただろう。 次のイギリスGPでも、ブラウンGPに挑戦し続けて欲しいと思う。

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