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2009 Round12 ベルギーGP観戦記 part2 勝利を逃したトヨタ

▽苦しんだレッドブル 予選8位と9位に沈んだレッドブルの二台。 予選トップと9位までの差が0.5秒の中に収まる大接戦の中で、燃料搭載量が多かったレッドブルは予選で上位にいく事ができなかった。 もう少しアグレッシブに予選を攻めていってもよかったように思える。 今回の上位9台は、タイム差がほとんどなく、フューエルエフェクトが大きいこのコースで、燃料搭載量は予選結果に大きな影響を与えた。 ベッテルはもう少し前からスタートできれば、上位の二台について行くことも可能だったのではないだろうか。 彼の第二スティント、第三スティントの走りを見るとそう思わされる。 特に第三スティントでは、上位二台との差を見る見るうちに縮めたベッテル。 それでも序盤の混乱の中から、3位に入ったベッテルにとっては大きな6ポイントとなった。 だが、ここで同時に彼らの抱える問題点も明らかになった。 第三スティントで、キミとフィジケラを追い上げるベッテルは二台に比べて0.3秒ほど速かったのだが、第二セクターだけで0.8秒稼いでいる。 第二セクターだけで、0.8秒も速いのは驚異的ではあるが、第一セクターでは0.2秒、第三セクターで0.3ほど遅かった。 第一セクターはヘアピンを立ち上がれば、2.4LのF1だとほぼ全開。 つまりエンジンパワーの影響度が大きいセクターである。 第三セクターも小さなコーナーはシケインだけで、エンジンの影響度が大きいセクターとなる。 この二つのセクターが遅いと言うことは、エンジンのパワーが劣ると言うことであり、これではベッテルをもってしても、追いつくのは難しい。 だだベッテルは終盤、あそこまで速く走る必要があったのかは、疑問だ。 第三スティントで3位に上がったベッテルが、上位の二台を追い抜くことは、事実上難しかった。 新品エンジンのない彼がエンジンの寿命を考えると、もっとペースを落として走った方が、良かったと思う。 ウェバーは、ピットレーンでハイドフェルドを妨害してピットスルーペナルティをもらい、大きく後退。 これは彼の責任ではないが、結果的にバトンが無得点のレースで、彼もまた無得点に終わった。 チャンピオンシップを考えると、痛いペナルティになった。 ▽勝利を逃したツゥルーリ 予選のタイムと燃料搭載量を考えるとトヨタのツゥルーリがグリッド上では最速であった。 練習走行のロングランタイムも良く、スタートで前に出られれば、ツゥルーリの勝利の確率は高かった。 それを裏付けるように、ツゥルーリも予選終了後に、勝利の可能性に言及するなど、自信満々の様子だった。 予選二位のツゥルーリだったが、スパは予選上位に限って言えば偶数列も奇数列もラバーののり具合がほぼ同じで、偶数だからと言って不利ではなかった。 このことも、ツゥルーリの自信の裏付けになっていただろう。 KERSを使うマクラーレンに二台が後方にいたことも、幸運であった。 彼の最大の障害は、スパを得意とするライコネン。 彼がKERSを使い序盤に上位に来ると、ツゥルーリにとってはありがたくない展開だった。 だが、ツゥルーリ勝利の希望はスタート直後の1コーナーで砕け散った。 スタートで出遅れた、ツゥルーリはハイドフェルドの後ろで1コーナーを立ち上がるが、ハイドフェルドはアンダーステアが出て立ち上がりで、スロットルを戻さざるを得なくなり、失速。 そこへ加速してきたツゥルーリが来たからたまらない。 フロントウィングを接触させたツゥルーリは、ピットイン。 これでツゥルーリの勝利はなくなった。 それにしても、スタート直後で接触とは、なんとも惜しいレースだった。 トヨタは、グロックも上位を走行しながら燃料補給に失敗してノーポイント。 失意のうちにスパを去ることになった。 だが、トヨタの問題はこの良い結果の理由がよくわかっていないことだろう。 彼ら自身、なぜスパで速くなったのか、よくわかっていないらしい。 これは彼らが、わかっているのにとぼけているのか、本当にわかっていないのか、よくわからないが、本当の理由がわかっていないとすれば今後、同じ結果を残すのは難しいかもしれない。 ▽追い詰められるブラウンGP ジェンソン・バトンが今シーズン初のノーポイントレースになった。 予選14位とQ2で脱落したバトンは、1周目のレ・コンブで多重クラッシュに見舞われてリタイヤ。 後ろからグロージャンに追突された事故自体は完全なもらい事故だが、やはり中団からのスタートはこのような事があるから怖い。 これまでは、調子が悪くてもなんとかポイントをゲットして、得点を延ばし続けていたのだが、ここに来ての無得点。 幸いなことにベッテルが6ポイントを獲得した以外は、バリチェロが2点しか追加できず、ウェバーは無得点だった。 これでバトンとライバルとの差は縮まったが、それでもまだバリチェロと16ポイント、ベッテルと19ポイントの得点差があるのでまだ、バトンが有利なポジションにいることは間違いがない。 バリチェロはスタートに失敗して、ほとんど最下位にまで順位を落としたがSC導入中に燃料補給したことで、ポイントを獲得することができた。 スタートでの大失敗を考えると、この結果は良しとせざるを得ないだろう。 ▽大きく前進した BMW 今シーズン限りで撤退を発表したBMWだが、開発は継続している。 KERSを取り外してからは、空いたスペースを有効に使い、ヨーロッパGPで新しい空力パーツを投入。 そのパーツが功を奏し今回、予選で上位に進出した。 決勝レースでも表彰台には届かなかったが、クビサとハイドフェルドが4位5位に入賞。 ベッテルが後半、あれほど速くなければクビサの3位も十分に可能だったが、苦しんできた彼らにすれば、これは勇気づけられる結果だろう。 ▽連続入賞続くロズベルグ エンジンの全開率が70%を超えるスパは、シーズンを通して考えると特殊なサーキットである。 それだけにスパ仕様のエアロ・パッケージが必要なのだが、資金に余裕のないウィリアムズにそれを用意することはできなかったようだ。 だから、週末を通じてウィリアムズの二台は苦しんでいた。 特に中嶋一貴は、予選からペースが上がらず難しいレースとなり、ノーポイントに終わった。 だが、チームメイトのニコ・ロスベルグはこんな状況でも、きちんと8位に入賞してきた。 これで8レース連続の入賞である。 今のウィリアムズの中で、ニコの占める割合は大きい。 彼が来シーズン、他チームへ移籍してしますと、チームは苦しくなるだろう。 ▽ビッグチャンスを逃したアロンソ 予選Q2で敗退したアロンソだったが、レース中のペースはよく、一時は3位にまで上昇した。 ワン・ストップを予定していたアロンソだったので、キミとフィジケラの争いに絡めるチャンスはあった。 しかし、それもピットストップの際に、左フロントのホイールカバーが装着できずに大きくタイムロス。 これは、スタート直後の接触により、左フロントのホイールカバーを破損していたからのようだが、結果的にビッグチャンスを逃した、残念なレースとなった。 ▽チャンピオンシップの行方 マクラーレンが勝ち、フェラーリが勝ち、BMWが速くなり、フォース・インディアも侮れない今、レッドブルには憂鬱なシーズン終盤となりそうだ。 最近6レースで、6人の違うウィナーが誕生している。 (バトン、ベッテル、ウェバー、ハミルトン、バリチェロ、ライコネン) 彼らが上位に来ると言うことは、レッドブルの二人が大量得点をするのは、難しいと言うことである。 残りレース数5を考えると、やはりバトンは一番有利な立場である。 鍵になるのは、次に誰が勝つかである。 チャンピオンシップを争う4人の中で、誰が次に勝つかが、一番大きなポイントである。 バトンは5レース中、1レースで勝てればチャンピオンに大きく近づく。 他のドライバーがジェンソンを逆転するには二つの勝利が必要だ。 だから、バトンはまったく焦る必要はない。 ▽感情を爆発させたキミ 普段は、感情を露わにしないキミ・ライコネンであるが、今回ばかりは違った。 フィニッシュ直後も、両手を何度も突き上げてガッツ・ポーズを連発。 表彰台でも喜びを全身で表していた。 彼にとっては昨年のスペインGP以来の優勝で、チームにとっては今シーズン初優勝。 苦しい苦しい今シーズンの乗り越えての勝利だったので、チームにとってもキミにとっても、うれしいうれしい勝利だった。 おめでとう、キミ・ライコネン。

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