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ロータスが100億円超の赤字を計上し、経営危機が表面化

F1のロータスチームが昨年100億円以上の赤字だったことが明らかになった。これは単独のレーシングチームとしては過去最悪の数字である。 この損失はチームの大きな経費とグループ企業からの借り入れに対する利払いが大きな比率を占めている。これは2013年の会計報告により公開された。収入がは154億円と維持されているが、赤字の額は昨年より16億円増加した。経費は5億円削減されたが、グループ会社からの借り入れに対する利払いがかさみ1億円から23億円に増加した。 チームはイギリスに本拠を構えているが、ジェラルド・ペレスが率いるジニ・キャピタルにより経営されている。ペレスはスカイプに初期投資したことでも知られている。彼は赤字の原因を調査中である。 「会社は開発を支援してくれる新しいパートナーを連れてくるために協議中である」とペレスは述べた。 「特にいくつかの企業と長期のタイトルスポンサーシップに関して協議をしている」 「我々はロータスに資金を貸し付けて支援している。これは他の大きなチームのようなスポンサーシップではない」 これは会計報告書にも計上されており、短期負債は2倍の200億円に膨らんでいる。そのうち50億円が第三者機関からの融資であり、残りの150億円がグループ内の貸し付けになる。グループ内の貸し付けも2倍になっており、ロータスの経済状況が悪化していることを表している。 昨年、チームは人員を520名から557名に増加させ、技術部門を強化した。その結果、ライコネンは開幕戦で勝利し、三回のダブル表彰台を実現した。ロータスはシーズンを通してコンストラクターズランキング2位を維持していたが、最終的に4位になった。 だが好成績の裏でチームは経済的に苦労しており、ライコネンが給料の未払いを理由にシーズン終盤を欠場することになった。 昨年にはロータスの株式を怪しげな投資会社クォンタムファンドに売却したとの報道もあったが、チームは協議していたことは認めたが、契約の締結は否定した。 ジニ・キャピタルはロータスの株式10%をロシアの通信会社ヨタ デバイスに売却。そして今年チームはベネズエラの石油会社PDVSAから多額のスポンサーマネーを得ている。これはライコネンと交代したベネズエラ出身のパストール・マルドナドと一緒にロータスにやってきた。 ロータスは今年、コンストラクターズランキング8位に沈んでおり、新しいパワーユニットで苦しんでいる。 「チームは、今年2月から開始したリストラの効果で、2014年に更なるコストカットを予想している」 この中のグループ内の貸し付けとは、ジニ・キャピタルからロータスへの融資である。昨年より利払いの支払いが増えているのは、ジニ・キャピタル自身が資金繰りに苦しんでいることを表している。これらの数字を見るとわかるのは、スポンサーが不足しているロータスに対して、ジニ・キャピタルがお金を貸して、利子を得ている構図である。だがこれはタコが自分の足を食べているのと何ら変わらない。 今年にはいってのリストラにより、ロータスからは優秀な人材が流出しており、それが今年の成績に明確に表れている。確かにルノーのパワーユニットは優れていないが、同じパワーユニットを搭載しているレッドブルがそれなりの成績を得ている以上、チームの競争力が衰えているのは明らかである。 小さいながらも優秀なスタッフを擁して、3回のワールドチャンピオンを獲得した優れたチームが、落ちていく姿を見るのはつらいものがある。だがこれも現代F1が抱えるコストのかかりすぎという問題点を表す事象である。実際、経済的な苦境にあるのはロータスだけではなく、ザウバーも苦しんでいる。 ロペスは新しいスポンサーと協議中と話しているが、ここ数年同様の話は、ほとんど実現していない。そもそも実態の怪しいクォンタムファンドなどと協議すること自体が、彼らの苦境をよく表している。溺れる者は藁をもつかむのである。 来年はメルセデスのパワーユニットに変更すると伝えられているが、その資金をどこから調達するのかは不明である。 このままでは、来シーズンにロータスが存在していなくても誰も不思議は思わない。

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