▽ミハエル復帰は成功するか?
前々から噂されていたミハエル・シューマッハーのF1復帰が12月下旬メルセデスGPから発表された。
昨年、夏のマッサ負傷に端を発したミハエル復活騒動はこれでひとまず終焉を迎える。
しかし、ここで新たな疑問が生じている人も多いと思う。
それは、彼は以前のように活躍することが出来るのだろうかというものだろう。
実際、ミハエルが活躍できるかどうか、今の時点では「わからない」とお答えするしかない。
ただ一つだけはっきりしていることは、彼は成功するための全ての要素を持ち合わせているということである。
だがその話をする前に、過去に復帰したチャンピオン達を振り返ってみよう。
▽過去のチャンピオンドライバー達
チャンピオン経験者で引退後、復帰してチャンピオンになったドライバーは過去に二人いる。
ニキ・ラウダとアラン・プロストである。
だがアラン・プロストは当初から1年後の現役復帰を計画していて、復帰したのであまり参考にはならない。
ではニキ・ラウダの場合はどうだろうか。
彼はフェラーリで二度のチャンピオンに輝きながら、エンツォ・フェラーリと衝突しブラバムへ移籍。
そして、1979年のカナダGPで突然引退を表明し、表舞台から消えていく。
その後は、飛行機好きが高じて始めた自身の航空会社ラウダエアの経営をしていく。
だがその2年半後、ラウダは突然カムバック。
最初の年、3戦目のアメリカ西GPで復帰後初優勝。
復帰した年はイギリスGPでも勝利し、計2勝を挙げて、復帰成功を印象づけた。
2年目は1勝も上げられなかったが、3年目には当時最強のポルシェエンジンを得て、チームメイトとなった若き日のプロストとチャンピオンを争い。
そして、僅か0.5ポイント差で三度目の王座に輝いた。
▽ミハエル復帰成功のポイントは?
ではミハエルの場合はどうだろうか。
まずは年齢的な懸念がされている。
1980年代のF1と現在のF1マシンでは、現在の方が体への負担は格段に大きくなっている。
だからこそ、彼の年齢的な体力の衰えを心配する声が聞かれるのだろう。
41歳という年齢は確かに、体に過度の負担をかけるF1にとって理想的とは言えないが、トレーニングが大好きなミハエルにとって問題にはならないと思う。
トレーニング方法も昔とは比べられないほど科学的になり、進歩している。
トレーニングすれば鍛えられるというのであれば、ミハエルは喜んでトレーニングする。
また鍛えるのが難しい心肺機能も彼の場合、深刻な問題にはならない可能性が高い。
それは彼がドライビングしているときの、心拍数は他のドライバーより低いと想像できるからだ。
それは彼の冷静なドライビングを見ているとわかる。
心拍数が高い状態で、あのように冷静なドライビングをすることは難しい。
よって年齢的な肉体の衰えは、彼の成功を阻む要因にはならないだろう。
マシンやタイヤが変わっていることも、懸念されている。
だがこれも、彼にとってはあまり大きな問題にはならないだろう。
ミハエルは誰よりも負けず嫌いな正確である。
勝負は全て勝たなくては気が済まない。
それがカートであろうとサッカーだあろうと、卓球であろうと(^^
だから、マシンやタイヤが昔と変わって彼のドライビング・スタイルを修正しなければならないのであれば、彼は躊躇なくそれを修正してくる。
彼の目標は勝利あるのみ。
だから、自分自身に修正が必要であれば、修正する。
それが、ミハエル・シューマッハーである。
では、ミハエル復帰の問題になるのは何であろうか。
ミハエル復帰の鍵を握るのは、ドライビングの感覚だろう。
ラウダの時代は、自由にテストをすること出来た。
一方、今年はシーズン前に15日間のテストしか許されていない。
この短期間でF1という特殊なマシンのドライビング感覚を取り戻すのは並大抵のことではない。
1年しかブランクのなかったプロストでさえ、感覚を取り戻すのに時間がかかったことを認めている。
F1は1周して0.1秒を争う世界である。
完全に感覚が戻らないと勝つことはおろか、予選で下位に沈むことも考えられる。
ドライビングの感覚が1%でも戻らなければ、ミハエルの復帰は失敗に終わる可能性が高い。
このドライビング感覚の完全獲得こそが、ミハエル復活成功の鍵を握る。
だから私はミハエルがシーズン途中で、再び引退しても驚かない。
メルセデスとの契約には、彼自身のパフォーマンスに問題があれば、シーズン途中での解雇や引退も可能な条項が当然、入っていると思う。
成績が残せないミハエルを走り続けさせることは、ミハエルにとっても、メルセデスにとっても不幸である。
そう言う意味で、ミハエルにとって、今年のメルセデスGPのマシンの競争力があまり高くない方が好ましい。
マシンの競争力は高い方がいいと思われる方も多いと思われるが、トップレベルのF1マシンはドライビングが非常に難しい。
カミソリの刃の上を走ると言えば、その難しさがわかっていただけるのではないだろうか。
だからこそ、競争力のあるマシンに乗ると、ドライバーの力の差がはっきりと現れる。
だから、ミハエルにとって最初は中位あたりを走れるマシンで感覚を取り戻しながら、シーズン終了までに完全に感覚を取り戻すことが必要なのではないかと思う。
そして勝負は二年目か三年目となる。
シーズン前のテストが15日間と制限され、シーズン中のテストも原則禁止の状態であれば、レース・ウィークエンドを通じて、テストせざるを得ない。
だが、レース・ウィークエンドでも無制限に走ることが出来るわけでもない。
エンジンの使用数制限やタイヤの本数制限もある。
だから彼が、ドライビングの感覚を完全に取り戻すには、時間が必要となる。
彼は24時間レースのことを考えられる人間である。
F1ドライバーは、プロであるからみんな24時間レースのことを考えていると思いがちであるが、それは間違いである。
ドライバーによっては、コースを離れると全くマシンやF1のことを忘れるドライバーも結構な数存在する。
だからこそ世界トップクラスのドライバーが集まるF1でも、成功するドライバーとそうでないドライバーの差がつく。
ミハエルは夢の中でも、レースのことを考えているのでないかと思うくらいレースに没頭している。
このような人間が成功しないわけがない。
だから時間を掛ければ、彼は必ず成功するだろう。
だが現代社会は性急に結果を求める。
彼は若いドライバーではない。
若いドライバーであれば、時間を掛けてじっくり育てることもできる。
だがミハエルは、2010年1月で41歳になったドライバーである。
しかも、彼は栄光に輝くミハエル・シューマッハー。
当然、開幕戦から結果を求められる。
だから今年の序盤にあまりにもパフォーマンスが優れなければ、シーズン途中で引退という事態も十分にあり得る。
それさえ乗り越えられればミハエルは結果を残すだろう。
そしてミハエルは単純に勝つだけでなく、チャンピオンにならなければ満足しない性格である。
よって、彼が再びチャンピオンに輝いても驚きはしない。
それが、ミハエル・シューマッハーという人間であるから。
▽ミハエル復帰は成功するか?
前々から噂されていたミハエル・シューマッハーのF1復帰が12月下旬メルセデスGPから発表された。
昨年、夏のマッサ負傷に端を発したミハエル復活騒動はこれでひとまず終焉を迎える。
しかし、ここで新たな疑問が生じている人も多いと思う。
それは、彼は以前のように活躍することが出来るのだろうかというものだろう。
実際、ミハエルが活躍できるかどうか、今の時点では「わからない」とお答えするしかない。
ただ一つだけはっきりしていることは、彼は成功するための全ての要素を持ち合わせているということである。
だがその話をする前に、過去に復帰したチャンピオン達を振り返ってみよう。
▽過去のチャンピオンドライバー達
チャンピオン経験者で引退後、復帰してチャンピオンになったドライバーは過去に二人いる。
ニキ・ラウダとアラン・プロストである。
だがアラン・プロストは当初から1年後の現役復帰を計画していて、復帰したのであまり参考にはならない。
ではニキ・ラウダの場合はどうだろうか。
彼はフェラーリで二度のチャンピオンに輝きながら、エンツォ・フェラーリと衝突しブラバムへ移籍。
そして、1979年のカナダGPで突然引退を表明し、表舞台から消えていく。
その後は、飛行機好きが高じて始めた自身の航空会社ラウダエアの経営をしていく。
だがその2年半後、ラウダは突然カムバック。
最初の年、3戦目のアメリカ西GPで復帰後初優勝。
復帰した年はイギリスGPでも勝利し、計2勝を挙げて、復帰成功を印象づけた。
2年目は1勝も上げられなかったが、3年目には当時最強のポルシェエンジンを得て、チームメイトとなった若き日のプロストとチャンピオンを争い。
そして、僅か0.5ポイント差で三度目の王座に輝いた。
▽ミハエル復帰成功のポイントは?
ではミハエルの場合はどうだろうか。
まずは年齢的な懸念がされている。
1980年代のF1と現在のF1マシンでは、現在の方が体への負担は格段に大きくなっている。
だからこそ、彼の年齢的な体力の衰えを心配する声が聞かれるのだろう。
41歳という年齢は確かに、体に過度の負担をかけるF1にとって理想的とは言えないが、トレーニングが大好きなミハエルにとって問題にはならないと思う。
トレーニング方法も昔とは比べられないほど科学的になり、進歩している。
トレーニングすれば鍛えられるというのであれば、ミハエルは喜んでトレーニングする。
また鍛えるのが難しい心肺機能も彼の場合、深刻な問題にはならない可能性が高い。
それは彼がドライビングしているときの、心拍数は他のドライバーより低いと想像できるからだ。
それは彼の冷静なドライビングを見ているとわかる。
心拍数が高い状態で、あのように冷静なドライビングをすることは難しい。
よって年齢的な肉体の衰えは、彼の成功を阻む要因にはならないだろう。
マシンやタイヤが変わっていることも、懸念されている。
だがこれも、彼にとってはあまり大きな問題にはならないだろう。
ミハエルは誰よりも負けず嫌いな正確である。
勝負は全て勝たなくては気が済まない。
それがカートであろうとサッカーだあろうと、卓球であろうと(^^
だから、マシンやタイヤが昔と変わって彼のドライビング・スタイルを修正しなければならないのであれば、彼は躊躇なくそれを修正してくる。
彼の目標は勝利あるのみ。
だから、自分自身に修正が必要であれば、修正する。
それが、ミハエル・シューマッハーである。
では、ミハエル復帰の問題になるのは何であろうか。
ミハエル復帰の鍵を握るのは、ドライビングの感覚だろう。
ラウダの時代は、自由にテストをすること出来た。
一方、今年はシーズン前に15日間のテストしか許されていない。
この短期間でF1という特殊なマシンのドライビング感覚を取り戻すのは並大抵のことではない。
1年しかブランクのなかったプロストでさえ、感覚を取り戻すのに時間がかかったことを認めている。
F1は1周して0.1秒を争う世界である。
完全に感覚が戻らないと勝つことはおろか、予選で下位に沈むことも考えられる。
ドライビングの感覚が1%でも戻らなければ、ミハエルの復帰は失敗に終わる可能性が高い。
このドライビング感覚の完全獲得こそが、ミハエル復活成功の鍵を握る。
だから私はミハエルがシーズン途中で、再び引退しても驚かない。
メルセデスとの契約には、彼自身のパフォーマンスに問題があれば、シーズン途中での解雇や引退も可能な条項が当然、入っていると思う。
成績が残せないミハエルを走り続けさせることは、ミハエルにとっても、メルセデスにとっても不幸である。
そう言う意味で、ミハエルにとって、今年のメルセデスGPのマシンの競争力があまり高くない方が好ましい。
マシンの競争力は高い方がいいと思われる方も多いと思われるが、トップレベルのF1マシンはドライビングが非常に難しい。
カミソリの刃の上を走ると言えば、その難しさがわかっていただけるのではないだろうか。
だからこそ、競争力のあるマシンに乗ると、ドライバーの力の差がはっきりと現れる。
だから、ミハエルにとって最初は中位あたりを走れるマシンで感覚を取り戻しながら、シーズン終了までに完全に感覚を取り戻すことが必要なのではないかと思う。
そして勝負は二年目か三年目となる。
シーズン前のテストが15日間と制限され、シーズン中のテストも原則禁止の状態であれば、レース・ウィークエンドを通じて、テストせざるを得ない。
だが、レース・ウィークエンドでも無制限に走ることが出来るわけでもない。
エンジンの使用数制限やタイヤの本数制限もある。
だから彼が、ドライビングの感覚を完全に取り戻すには、時間が必要となる。
彼は24時間レースのことを考えられる人間である。
F1ドライバーは、プロであるからみんな24時間レースのことを考えていると思いがちであるが、それは間違いである。
ドライバーによっては、コースを離れると全くマシンやF1のことを忘れるドライバーも結構な数存在する。
だからこそ世界トップクラスのドライバーが集まるF1でも、成功するドライバーとそうでないドライバーの差がつく。
ミハエルは夢の中でも、レースのことを考えているのでないかと思うくらいレースに没頭している。
このような人間が成功しないわけがない。
だから時間を掛ければ、彼は必ず成功するだろう。
だが現代社会は性急に結果を求める。
彼は若いドライバーではない。
若いドライバーであれば、時間を掛けてじっくり育てることもできる。
だがミハエルは、2010年1月で41歳になったドライバーである。
しかも、彼は栄光に輝くミハエル・シューマッハー。
当然、開幕戦から結果を求められる。
だから今年の序盤にあまりにもパフォーマンスが優れなければ、シーズン途中で引退という事態も十分にあり得る。
それさえ乗り越えられればミハエルは結果を残すだろう。
そしてミハエルは単純に勝つだけでなく、チャンピオンにならなければ満足しない性格である。
よって、彼が再びチャンピオンに輝いても驚きはしない。
それが、ミハエル・シューマッハーという人間であるから。