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フライアウェイを終えて 2010年シーズン序盤を振り返る メルセデスGP編

JUGEMテーマ:スポーツ

 【メルセデスGP】 ここはビッグ4といわれながらスピードは上位三チームにはかなわない。 それでもニコは連続表彰台に登るなど健闘している。 現状の速さを見る限り彼らが今シーズン中にトップレベルに回復するのは極めて困難だろう。 メルセデスGPのマシンも問題であるが、もうひとつ心配な点がある。 ご存じミハエル・シューマッハーである。 シューマッハーは開幕から4レース連続で、ニコに予選決勝とも敗れている。 引退前には、チームメイトに負け続けるミハエルを見たことがない。 ▽追い込まれるミハエル 開幕から4レース連続チームメイトに負けるミハエル。 少なくとも引退前の彼ではあり得ない話だ。 現役時代の彼は2レース連続チームメイトに負けたのが、最も長い記録だ。 (これを最長記録と呼べればの話だが) しかも、中国GPでは予選で0.6秒の大差を付けられた。 雨の決勝では50秒以上の差である。 シャシーに問題があったとのハウグの発言もあったが、 シャシーに問題があるのであればそれは決勝前にわかっているべきだし、わかっていなかったらメルセデスGPは何をしていたという話になる。 カーボンモノコックは非常に堅固であり、かなりの衝撃にも耐えられる。 FP1で発生したブエミは、あのアクシデントにも関わらず、シャシーを交換していない。 シャシーに問題があるのにペース不足とはいえ、レーシング・スピードで走ることができるのだろうか。

 ハウグ自身、ミハエルのペース不足に戸惑い、シャシーに何か問題がなければおかしいと感じての発言であろう。 だが、ハウグやブラウンは、そろそろ現役時代のミハエルとは違うのだということを、認識しなければならない。 今のミハエルは現役時代の感覚を取り戻せていない。 特にアクセルワークにおいてそれは顕著であるように思える。 現役時代のミハエルは、超絶のアクセルワークで他を圧倒していた。 だから、他のドライバーであれば乗りこなせないような、極端にオーバーステアのマシンでも乗りこなせていた。 だから雨のレースではめっぽう強かった。 だが、今回雨のレースで精彩がなかったのは、その感覚が100%戻っていないことの証拠である。 本来であればこういう雨でマシンのスピードが落ちれば、ミハエルのような復帰間もない人間には有利なはずである。 スピードの感覚が戻っていないのであれば、スピードが落ちれば対処しやすくなる。 だが右足の感覚が戻っていないのであれば、これは深刻な問題だ。 優れたF1ドライバーはみな優れた右足を持っている。 彼らはみな優れたアクセル・ワークの持ち主である。 アロンソしかり、ライコネンしかり、ハミルトンしかり、そして現役時代のミハエルしかりである。 だが今のミハエル明らかに現役時代のアクセル・ワークの感覚を取り戻せていない。 もっとも私は3年ぶりに復帰したミハエルが、すぐにニコと同じペースで走ることができるとは思っていなかった。 開幕前からマスコミは盛り上がっていたが、そんなに簡単なことでないことは本人もよくわかっていただろう。 シーズン中のテスト禁止は復帰したミハエルにとっては不利な条件である。 だからシーズン中のレース毎に、テストを兼ねながら、徐々に感覚を100%へ戻さざるを得ない。 開幕三戦までは徐々にニコとの差を縮めてきていたのだが、ここに来ての大差は本人も深刻に受け止めざるを得ない。 現代社会は、情報社会で何もかもが速いスピードで動いていく。 昔であれば4レース連続でチームメイトに負けても、たいしたニュースになることもなく、シーズンは進んでいただろう。 だが今は、彼の全てが瞬間に世界中に広がっていってしまう。 ミハエルは今、非常に強いプレッシャーにさらされている。 かつての彼はそのプレッシャーをサイボーグの仮面をかぶり、実績を残すことでプレッシャーをはねのけてきた。 しかし今、彼は人生で始めてチームメイトに勝てないという現実に直面している。 かつて、アーバインやバリチェロと同じ立場だ。 ミハエルの心境はいかほどだろう。 彼はこの状況を上手く対応できるのだろうか。 かつての彼はどんな時も言い訳せずに、現実を直視し、問題を解決してきた。 だからこそ前人未踏の記録を残せたのだ。 チームメイトに勝てないドライバーほど、つらいものはない。 ミハエルがこの逆境をどうやって乗り越えていくのだろうか。 シーズン半ばまでが大きな山場となるだろう。 その後、ミハエルがどのような行動に出たとしても、私は驚かない。 【ルノー】 予想以上に好調なのがルノーである。 開幕前に好調が伝えられたザウバーとは好対照をなしている。 フライアウェイの4レース終了後、ルノーのコンストラクターズ・ランキングは5位。 ビッグ4のすぐ後ろにルノーがつける状況は正直に言うと、予想できなかった。 しかもクビサ個人のドライバーズ・ランキングでは、レッドブルのウェバーやミハエル・シューマッハーの上の7位。 6位のマッサとはたったの1点差で、ベッテルとも5点差である。 マシンのパフォーマンスは突出していないが、競争力は十分にありクビサはQ3の常連である。 今後は、資金が不安視される中、マシンの開発ペースを継続できるかどうかが、心配な点である 【ザウバー】 今シーズン、最大のガッカリチーム。 4レース延べ8台が走り、完走は一回だけ。 7回のリタイヤも全てレース序盤である。 昨年からの既存チームの中で唯一ポイントが獲得できていないチームがザウバーである。 だがそれ以上に信頼性のなさが最大の問題である。 可夢偉が二回クラッシュしたのは仕方がないが、エンジントラブルが多すぎる。 これではドライバーはどうしようもない。 本家のフェラーリも問題を抱えており、エンジン問題はザウバーの脚を引っ張り続けそうである。 今回の3週間のインターバルで、完走ができるマシンに改良して欲しい。 彼らの不振の原因はどこにあるのだろう。 最初のテスト時の好調と今のギャップを考えると、それは資金不足からくる開発の遅延ではないだろうか。 ビッグチームは、最初のテスト時と開幕時では別のエアロパッケージを持ち込むくらい、開発の進展が早い。 今年のザウバーを見ていると、開発のスピードという面で見ると、他のチームとは格差があるよう思える。 資金不足はこれから更に厳しくなる。 資金不足が顕在化する前に、なんとか結果を残して欲しかったのだが、開幕からそれが結果に表れている。 そう考えるとザウバーの残りシーズンは長く厳しいことになりそうである。

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