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2010 Rd.11 ドイツGP観戦記

JUGEMテーマ:スポーツ

▽帰ってきたフェラーリとチームオーダー フェラーリが開幕以来の1-2フィニッシュ。 一時、競争力を落としていたフェラーリがトップに返ってきた。 フェラーリはバレンシアで大きなアップデートを施してから競争力を大きく向上してきた。 ところが、バレンシアではSCに前を阻まれ、シルバーストーンではチームメイト同士で接触しマッサはパンク、アロンソはショートカットしてペナルティと不運なレースが続いていた。 今回は予選からレッドブルと互角の速さを見せ、緊張感あふれる予選となった。 ブロウン・ディヒューザーを予選で効率的に使うレッドブルは、これまでほぼ全ての予選を征してきた。 予選ポールのベッテルと2位アロンソの差はたったの1000分2秒。 距離にすると約15センチ。 同タイムと言っていいほどの僅差である。 そしてスタートでミスをしたベッテルがアロンソを抑えるために、イン側に寄せ空いたアウト側のスペースにマッサが飛び込みトップに立つ。 トップにたったマッサが一番ピンチだったのが、タイヤ交換直後。

 1周前にタイヤ交換をすましていたアロンソがマッサに迫る。 今回、珍しく涼しかったホッケンハイム。 その為ハードタイヤを動作温度に上げるのに数周が必要だった。 タイヤの暖まらないマッサと温度が上昇しているアロンソ。 数周に渡ってタイヤを何度もロックさせるマッサだったが、なんとかしのぎトップをキープ。 その後はアロンソと交互にベストラップを記録するなど、タイムの上下はあったが抜かれる心配はほぼなかった。 彼の復帰後、初優勝はほぼ間違いない状況だった。 ところがマッサは49周目のターン6立ち上がりで突如スローダウン。 アロンソと順位を入れ替える。 車載映像を見ると、ギアは抜けていないしミスファイアもない。 マッサは意図的にアロンソを前に行かした。 F1ドライバーがチームからの指示なしに、意図的に順位を入れ替えることはありえない。 彼らは世界一負けず嫌いの集団である。 それを考えるとフェラーリのチームオーダーは明らかだった。 もっともチームオーダーはルールで禁止された後も、わかりにくいように発令され続けている。 ドライバー選手権のポイントを考えると、フェラーリはチームオーダーを発令しなければならなかったのだろう。 復帰後、初優勝を目前にしながら逃したマッサの心中は複雑だ。 だがこのレースを見た全ての人は、誰が真の勝者かわかっている。 次のハンガリーGP。 1年前にあの事故があった場所だ。 マッサには、そこで劇的な復帰後初優勝を見せて欲しいと思う。 ▽敗戦以上に憂鬱なレッドブル これまで予選ではほぼ敵なしだったレッドブルだが、今回はついにフェラーリに互角のスピードを見せられた。 これまでは、決勝で取りこぼしがあっても予選では、圧倒的な速さを見せつけ、ここまでカナダGP以外で全てポールポジションを獲得してきたレッドブル。 カナダはハミルトンが得意としているサーキットで、マシンで負けたわけではないのだが、今回はレッドブルとフェラーリは互角の戦闘力だった。 ポール・ポジションを獲得したベッテルだったが、彼にも不安はあった。 彼はイギリスGPまで半数のGP5回のポール・ポジションからスタートしている。 だが勝ったのはたったの1回。 速さが勝利に結びついていなかったのだ。 そしてその不安は的中した。 今回もイギリスGP同様、クラッチのミートポイントの設定をミスしたのだろう。 彼のリアタイヤは、白煙を上げず失速したように見えた。 今のF1ではドライバーミスで、スタートを失敗することはほとんどない。 フォーメーションラップ中に減速と加速を繰り返すバーンアウトをするのだが、その時にリアタイヤの滑り具合を見て、クラッチの接続ポイントを調整する。 後はスタート時に決められたエンジン回転数で、クラッチを繋ぐだけである。 手動のクラッチもそれほどシビアではなく、普通にやれば間違える心配はほとんどない。 ドライバーエラーでスタートを唯一失敗する方法は、クラッチをミートした瞬間に、焦ってアクセルを開けてしまいホイールスピンする時だけである。 今回のベッテルは白煙が上がっていなかったので、クラッチのミートポイントの調整を間違えて、前回同様エンジン回転数が下がって十分なトルクが出なかったのだろう。 エンストしなかったのは幸運であった。 スタートでフェラーリの二台に先行されたベッテルは、レース中もフェラーリのペースについて行くのは苦しかった。 前半は燃料をセーブしながら走ったと思うのだが、後半ベストラップを記録した時でさえ、フェラーリとの差を大きく縮めることができず、彼らを追い詰めることはできなかった。 以前であれば燃料をセーブしながらも、レッドブルは前を走るマシンに追いついていけた。 今回のフェラーリの速さを見ると、レッドブルにとってレースに負けたこと以上に、憂鬱な後半戦の幕開けとなった。 ▽ペース不足のマクラーレンと可夢偉 予選でのスピード不足に悩まされ続けているマクラーレンが、今回は決勝レースでもレッドブルとフェラーリについていくのが難しかった。 今回はブロウン・ディヒューザーを装着してレースに臨んだのだが、完璧に機能しているようには見えなかった。 今回のマクラーレンは、ブロウン・ディヒューザーのテストもかねてレースをしたような感じである。 どちらにせよこのデバイスを効率よく機能させなければ、チャンピオンシップを獲得するのは難しい。 可夢偉はタイヤ選択の自由がある12位スタート。 だが彼は上位陣と同じソフトでスタートする。 タイヤ選択の理由は、タイヤ温度がすぐに上昇しやすいのと、スタートの蹴り出しがいいのでスタートで順位を上げることを狙ったのだろう。 スタートで順位を上げた可夢偉だったがタイヤ交換のタイミングで、順位を落としその後はペトロフと争うが、11位でフィニッシュ。 ルノーは低速コーナー立ち上がりのトラクションが良く、抜くのは難しく、3レース連続のポイント獲得はならなかった。

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