ドライバーがウェットタイヤの改善を求める
日本GPでのジュール・ビアンキの大事故が発生し、ロシアGPではドライバーからウェットタイヤの性能改善を求める声が上がってきている。
ベッテルはロシアGPでのドライバーズ・ミーティングで、ウェットよりインターミディエイトタイヤの方がパフォーマンスがいいので、路面が濡れた状態でもインターミディエイトタイヤを選択する傾向が強いと指摘した。
「これは日本GPの後に問題になったわけではなく、以前から話題になっていた」とベッテルは述べた。
「今のウェットタイヤのウィンドウが非常に狭く、インターミディエイトタイヤの方が速い」
「その為に雨が小降りになると、すぐにインターミディエイトタイヤを履きたくなる。その方が速いので、リスクを冒す」
実際に日本GPで、ベッテルは雨が強くなる中、レース終盤に新品のインターミディエイトに交換して、逆転優勝を狙った。だが彼の挑戦は赤旗中断後のレース打ち切りで、実らなかった。
メルセデスのルイス・ハミルトンはウェットタイヤのパフォーマンス改善に好意的である。
「ピレリのウエットタイヤは、これまで使ってきた中でもベストではない。それは明らかで、ブリヂストンのウェットはとてもよかった」
「ドライタイヤは、これからも開発されていき、改善されていくと思うけど、ウエットタイヤはあまり注目されていないようだ」
「だからインターミディエイトタイヤで安全でないような状況でも、インターミディエイトで走らざるを得ない。そういう状況を避けられるように、優れたウェットタイヤが欲しい」
ピレリのポール・ヘンベリーはウェットタイヤの性能向上を検討するが、どのようなコンディションに合わせるかは、FIAと相談すると述べた。
「今明らかなのは、ウェットタイヤで走行すると視界が悪くなるので、周回数が限定されるということだ」とヘンベリーは述べた。
「雨が強くなると、すぐにセーフティカーが登場する。そして数周後に雨が弱まると路面が濡れているのに、インターミディエイトで走ろうとする」
「常に性能を向上させるのは、テクノロジーの常ではあるが、何を向上させるのかを決めなければならない」
ピレリの言う通り、タイヤとは常に多くの条件を最適化して開発されている。つまりウェットタイヤの性能をどういう条件に最適化するか決めない限り、開発は進まないのである。
今後、ピレリはFIAと協議して、ウェットタイヤの性能向上を図っていくだろう。そして、それは2015年用のウェットタイヤに反映されて、日本GPのような悲劇を防ぐのに貢献することになる。
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