2015年のカレンダーが発表されたが、そこには大きなサプライズが一つ仕掛けられていた。それは韓国GPの復活である。誰もがこれに驚いた。なにしろ当の韓国GPの主催者に一つの相談もなく、発表されて彼ら自身が驚いているのである。
どうやらこの韓国GPのカレンダー復帰は、一つの思惑があるというのがもっぱらの話である。
2015年シーズンのパワーユニット(以下PUと略)の割り当ては4基である。これは2014年より1基少ない。これはコスト削減が目的であるのだが、今年5基のPU制限でも足りなかったドライバーが複数いた。その為、来年1基減るとさらなる苦戦を強いられるPUが出てくる。
そのうちの一つが来年から新たに参戦するホンダである事は間違いない。メルセデスとルノーやフェラーリとの信頼性の差がさらに広がる恐れもあった。
ではどうしてPU数の制限緩和と韓国GPは関係するのであろうか。それはこの4基のPU制限は、年間のレース数が20レースまでである場合であると明記されている。つまりレース数が多くなると4基のPUでやりくりするのが難しくなるので、1基増やしましょうという考えである。
しかも重要なのは、このレース数は実際に開催されるかどうかには関係なく、21レースが開催予定である場合、PUが1基増えること書かれている。だから韓国GPが開催されるかどうかは、PUの増減にはなんの影響もない。予定されていることが重要なのである。
そもそも今の時点で何の準備もしていない韓国GPが、来年の5月に開催されるわけもなく、単純に彼らはPU数増加するためだけに、カレンダーに復帰した。
こうして誰も開催されるとは信じていない韓国GPがカレンダーに復帰した。恐らく年明けに発表されるカレンダーからは韓国GPの文字が消えているだろう。