【開催国概要】
開催国:カナダ
首都:オタワ
地理:北アメリカ大陸北部に位置し、世界で二番目に国土が広い
人口:34,000千人
GDP:約130兆円(世界第9位)
公用語:英語、フランス語
気候:モントリオール周辺では四季があるが、季節の温度差が極端に大きい
【サーキット】
サーキット・ジル・ヴィルヌーヴ
4.361km×70周=305.270km
長い直線と低速コーナーの組み合わせが特徴で、減速と加速を繰り返す典型的なストップ&ゴー型サーキット。
ダウンフォースの少ないセットアップで走る為、マシンの安定性は低くドライビングは難しい。
年間を通じてレースがあまり開催されないので、路面は滑りやすい。
昨年までであれば、土曜日から日曜日にかけラバーが載るに従って、グリップが増してくるのだが、今年のピレリタイヤには期待できない。
コース脇のエスケープゾーンが狭く、ドライビング・ミスは大きな代償をともなう。その為、セーフティ・カーが出ることも多く、レース展開に大きな影響を及ぼす。
オーバーテイクポイントはヘアピンと最終シケインの飛び込み。
ターン8の入り口でも抜けそうに思えるが、ここでの挑戦は失敗に終わることが多い。
【エンジン】
全開率が66%あり、エンジンへの負荷は大きい。
長い直線があるのでトップエンドのパワーも重要であるが、低回転域でのトルクが低速コーナーからの立ち上がりでタイムに直結する。
パワーではメルセデス・エンジンが、ドライバビリティではルノー・エンジンが有利。
もちろんKERSは有効なデバイスである。
【シャシー】
低速コーナー出口での、トラクションの良さは直線のスピードを左右する。
その為、リア・サスペンションは柔らかめセッティングを選択する。
低速からの加速を繰り返すので、駆動系の負担は大きい。
コーナーやシケインでは縁石を乗り越える場面も多く、その際の安定性が重要。
この部分でルノーは優秀である。
【エアロダイナミクス】
直線区間が長いので、ダウンフォースレベルが低い特別なエアロ・パッケージが必要。
その為、ブレーキング時やコーナーではダウンフォース不足になり、安定性を欠きドライビングは難しい。
長い直線ではDRSは有効であり、DRSの効率が勝負を分ける。
【タイヤ】
ピレリタイヤはスーパーソフトとソフトを持ち込む。
路面は比較的スムーズで、タイヤにとって厳しいサーキットではない。
だが低速からの立ち上がりが多く、リアタイヤへの負担は大きい。
リアタイヤがタレると、低速コーナーの立ち上がりで加速が鈍り、長いストレートでオーバーテイクされてしまう。
立ち上がりでは丁寧なアクセルワークで、タイヤの摩耗を最小限に抑える必要が
ある。
【ブレーキ】
ハードブレーキング・ポイントが4カ所あり、1年を通じて最もブレーキに厳しい
サーキットの一つである。
あまりに激しいブレーキングを続けると、レース終盤にブレーキが厳しくなり、
最悪壊れることもある。
その為、ブレーキの減り具合をモニターして、ブレーキバランスを細かく調整し
なければならない。
また、ダウンフォースレベルが低く、ブレーキング時の安定性を欠くので、より
丁寧なブレーキングが求められる。
【ピット戦略】
タイヤ摩耗は厳しくないので、基本は2ストップか3ストップ。
モナコのような1ストップも可能だが、タイヤを労る必要があるのは言うまでもない。
ストップ時間は、17.5秒+静止時間。
早めにタイヤ交換すると、スティントの終盤でリアタイヤが厳しくなる。
追い抜きは比較的できるので、状態の良いタイヤを投入するマルチストップが有効である。
【レース展望】
レッドブルが、ここでも速いのは間違いがない。
ただDRSの効率が良いマクラーレンも少なくともレースペースでは対抗できるだろう。
ハミルトンはここを得意としており、昨年同様レッドブルの連続PP記録を止めることが期待できる。
レッドブルにとっては今年、最も厳しいレースとなりそうである。
【過去5年間の優勝者】
2005 K.ライコネン <マクラーレン>
2006 F.アロンソ<ルノー>
2007 L.ハミルトン<マクラーレン>
2008 R.クビサ <BMW>
2010 L.ハミルトン<マクラーレン>
2011 Rd7 カナダGP観戦ガイド
- 2011 Rd.6 モナコGP観戦記
- 2011 F1 MEETING @ カナダGP