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2011 Rd13 イタリアGP観戦ガイド



【開催国概要】
開催国:イタリア共和国
首都:ローマ
地理:ヨーロッパ南部の半島に位置する
人口:59,870千人(世界23位)
GDP:約230兆円(世界第7位)
公用語:イタリア語
通貨:ユーロ

【サーキット】
アウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァ
5.793km×53周=306.720km

現在、F1カレンダーの中で唯一の超高速レイアウトを持つサーキット。

ウィングを寝かしてトップスピードを稼ぐが、ダウンフォース不足により、ブレーキングや低速シケインでマシンは安定しない。
不安定なマシンを操るドライバー達の技術に注目して欲しい。

オーバーテイクポイントは1コーナーのシケイン手前のブレーキング。
高速の最終コーナー パラボリカを抜けた後のストレートで、前を行くマシンに接近できれば、オーバーテイクのチャンスがある。

高温になることが多く、低温に悩まされることは少ない。
また、フェラーリを熱狂的に応援する「ティフォッシ」であふれた観客が醸し出す雰囲気は特別である。


【エンジン】
1周のうち79%がフルスロットルであり、間違いなくエンジンに掛かる負荷は1年で一番厳しい。
その為、残りエンジン数に余裕のあるドライバーは、例外なく新しいエンジンを持ち込む。

長い直線が多い為、エンジンの最高出力がラップタイムに大きな影響を与える。
だが、同時に低速コーナーからの加速も必要なので、低回転域でのトルクの出方も重要である。

現在、最強のメルセデス・ベンツのエンジンを搭載しているマシンは有利。


【シャシー】
極限まで減らしたダウンフォースで走る為、マシンは非常に不安定である。
特に長い直線からのハードブレーキングでは、リアのスタビリティが欠けているマシンだと厳しい。
高速からのブレーキングが多い為、ブレーキシステムにとっても難しいサーキットとなる。

ダウンフォースが削られているので、シケイン立ち上がりの、アクセルワークは繊細にしなければならない。

シケインでは縁石を乗り越えることも多い為、ギャップを乗り越えた時に安定しているサスペンションを持つマシンは速い。
その際マシンは一瞬、宙に浮くので、着地の際に駆動系への負荷も高い。

単純なレイアウトに見えるモンツァであるが、実はセットアップが難しい。
速く走らせるには、トップスピードとコーナーリングのバランスが非常に重要で、その最適値を決めるのは容易でない。
というのも、基本的なセットアップは、レスダウンフォースなので、セットアップの幅が非常に狭いからである。
セットアップについては、経験がものを言うので、ベテランドライバーは有利。

【DRS】
モンツァでは、2カ所のDRSゾーンが設定される。
ホームストレート、レズモとアスカリシケインの間にDRSゾーンが配置される。
最初の検知ラインはパラボリカの出口に設置され、もうひとつはレズモまでの間に設置される。

【タイヤ】
ピレリはソフトとミディアム・タイヤを持ち込む。
路面の粗さ的には標準的で、特別タイヤに厳しいサーキットではない。
だが、最終コーナーの高速パラボリカは、左アウト側への負荷が長時間にわたって続くので、タイヤを痛める。


【ピット戦略】
あまりフューエル・エフェクトが大きくないコース。
満タン燃料でスタートする今年は、ブレーキの摩耗には要注意である。
ストップのロスタイムは、19秒+静止時間。


【レース展望】
非常に特殊なサーキットであり、予選ではマシンの性能差が直接現れる。
強力なエンジンを持つマクラーレンのハミルトンが優勝の最有力候補。
例年、レッドブルはここを苦手にしているが、今年は少し違う。
彼らのマシンはトップスピードとコーナーリングスピードの両立を実現させ、競争力があるだろう。
またフェラーリもタイヤ温度の問題に悩まされることはなく、優勝争いに絡んでくる。


【過去6年間の優勝者】
2005 J.P.モントーヤ<マクラーレン>
2006 M.シューマッハ<フェラーリ>
2007 F.アロンソ<マクラーレン>
2008 S.ベッテル<トロ・ロッソ>
2009 R.バリチェロ  <ブラウンGP>
2010 F.アロンソ<フェラーリ>

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