スタート前は勝つ気満々だったハミルトンもスタートの失敗で全ては水泡に帰してしまった。
蹴り出し自体は良かったのだが、その後の加速でホイールスピンが多くなり加速が鈍る。
このサーキットは右側グリッドのグリップが悪いことも影響したと思われる。
このスタートの失敗により、ハミルトンはロズベルグをかわすどころかベッテルに抜かれ、ボッタスにも挑戦された。ボッタスはなんとか抑えたのだが、とにかくベッテルが抜けない。
高速コーナーの多いこのサーキットでは前のマシンが最終コーナーの立ち上がりで大きなミスをしない限り抜くのは困難である。ハミルトンはベッテルを抜けないまま、周回数を重ねた。
そこでメルセデスはハミルトンを3ストップに変更した。これでなんとかベッテルをかわしたハミルトンだが、この作戦変更で勝利をすることはできなかった。理論上、3ストップが速い場合でも、このサーキットでは遅いマシンを抜くことができないので、ポジションを重視して2ストップが有利である。
ベッテルを抜くために3ストップに変更したハミルトンは、これで勝利の権利を失った。例え周回数がもう少し多くてロズベルグに追いつけても、ハミルトンがロズベルグを抜くことはできなかっただろう。
だがこれでハミルトンは2位になった。まだチャンピオンシップはリードしているし、勝てなかったレースで2位は悪くない結果である。