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2012 Rd14 シンガポールGP 観戦ガイド

シンガポールGPサーキットレイアウト


【開催国概要】
開催国:シンガポール共和国
首都:シンガポール
地理:マレーシアに隣接するシンガポール島と周辺の島嶼を領土とする都市国家
人口:4,737千人(世界118位)
GDP:約18兆円(世界第44位)
公用語:英語、マレー語、中国語
通貨:シンガポールドル

【サーキット】
マリーナベイ・サーキット
距離:5.073km 周回数:61周 レース距離:309.316km
PP位置:コース右側
ラップ記録:1分44秒381(S. ベッテル 2011年)
ファステストラップ:1分45秒599(K. ライコネン 2008年)

2008年から開催された、カレンダー内で唯一夜間に開催される、市街地を利用したサーキット。
数少ない左回りのレイアウトを持つ。
夜のレースなので気温は下がるが湿度は高いので、ドライバーにとっては体温が上昇し、厳しいレースとなる。路面のバンプも多く存在し、ドライビングを難しくする。
エスケープロードが少なく、一瞬のミスは即リタイヤを招く。
低速コーナーが多いため、平均スピードは200Km/hを下回り、レースは2時間近く続く耐久レースの様相も見せる。
コース幅がかなり狭い部分もあり、追い抜きは極めて難しい。
追い抜きのポイントは長い直線の後のターン7。
【エンジン】
エンジンの全開率は45%と低いので、エンジンにとっての負荷は比較的低い。
サーキットは海抜が低く、気圧が高く空気密度も高いので、燃料消費量は多くストップ&ゴー型のレイアウトも更に燃料消費量をアップさせる。
約155Kgの燃料を搭載してスタートするが、これは平均的なサーキットより10kgも多い。
エンジンパワーの重要性は低く、メルセデス・ベンツ以外のエンジンにもチャンスがある。
低速からの立ち上がりポイントが多いので、低回転域からトルクの出るルノー・エンジンは有利。最高速度:305km/h(DRS ON)、290km/h(DRS OFF)
燃料消費量:2.26kg/ラップ

【シャシー】
最もブレーキが厳しいサーキットの一つ。
ビッグブレーキングのポイントはあまりないが、ブレーキングする場所が連続し、冷却する時間が少ない。温度が上限値以上に上昇するとディスクは急速に劣化するので、効率的なブレーキのクーリングを実施しないと、耐久性が問題となる。
路面に凸凹した部分が多く、優れたサスペンションを持つマシンはアドバンテージがある。
減速と加速を繰り返すので、トラクション性能に優れたルノーは有利。
低速コーナーが多いので、各マシンはドラッグを無視して、最大限のダウンフォースをつける。
路面がパンピーであり車高を上げて走るので、空力的に優れたマシンより、メカニカルな部分が優れたマシンが有利。

【DRS】
DRSゾーンは昨年までと同じ。
検知ポイントはターン4でターン5の230m手前。
ターン5の出口35mからDRSの動作が可能。
ただし、DRSがあってもなくても追い抜きは難しいだろう。

【タイヤ】
ピレリはスーパーソフトとソフト・タイヤを持ち込む。
市街地コースであり路面はスムーズで、タイヤには厳しくない。
スーパーソフトは0.8秒ほどソフトタイヤより速いと予想される。
この二種類のタイヤはワーキングレンジが離れており、また温度への反応が敏感なため、どのスティントでどのタイヤを使うのかは悩ましい。
普段使われていないサーキットであり路面のラバーが1周毎にのってきて、ラップタイムが向上するので、予選では各セクション、最後のアタックが非常に重要。
気温は高いが夜のレースなので、直射日光がなく、路面温度は気温とほぼ同じか、それ以下になる可能性もある。

【ピット戦略】
タイヤには比較的優しく、1ストップでも走りきれるマシンもあるだろうが、総合的なタイムを考えると2ストップか3ストップがベスト。
低速からの加速が多くリアタイヤの扱いには注意が必要で、リアタイヤを痛めると致命的。
総合的なタイムとポジションにより作戦は変化する。
セーフティカーは毎年登場し、在周回数(過去平均6.7周)も長いので、SCでの作戦変更は重要。
ストップ時間は、24秒+静止時間。
ロスタイムが長いのでストップ回数は少ない方が好ましい。

【天気予報】
雨の確率は低く、気温は高く約31度。
ただしシャワーは日常的であり、準備を怠ることはできない。

【レース展望】
低速サーキットでも強さを見せるマクラーレンが有利。
そこにフェラーリのアロンソが絡んでくるだろう。
ダークホースはロータス。
ロータスはタイヤに優しいのでスタート順位次第で、レースをかき回してくれるだろう。
予選とスタートが非常に重要で、ドライバーの集中力が勝負を決める。
レース中の追い越しは困難なので、予選で失敗すると勝利は望めない。

【過去4年間の優勝者】
2008 F・アロンソ<ルノー>
2009 L・ハミルトン<マクラーレン>
2010 F・アロンソ<フェラーリ>
2011 S・ベッテル<レッドブル>

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