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オーバーテイクが難しくなった理由

f1moc2015_jk1712444-s オーバーテイクを増やそうと関係者は知恵を絞ってはいるが、なかなか増えてはいない。DRSがあるのでオーバーテイクの数自体は増えているのであるが、それがおもしろいかどうかはまた別の話である。 昨年からドライバーから前のマシンに接近することが難しい内容の無線がよく聞かれるようになった。それはどうしてだろうか。 一番大きな原因はレギュレーションの変更にある。2009年から2013年まで、フロントウィングの幅はフロントタイヤの外側に等しかった。だからフロントウィングの翼端板は外側に開いていた。前から来る空気がタイヤに当たって、乱されたり抵抗になったりするのを防ぐためである。 だが昨年からフロントウィングの幅が短く制限された。その為、フロントウィングの翼端板がタイヤの真ん中当たりになった。これにより前から来る空気を外側にはじくことが難しくなった。それでもチームはなんとか前から来る空気をタイヤに干渉させないように工夫をして、より複雑なウィングが登場している。 2013年までは前を走るマシンが乱した空気をフロントウィングの翼端板で外側にはじけていたのが、昨年からはできなくなった。それにより2013年より前を走るマシンの空気の乱れにマシンが敏感に反応するようになった。 これではオーバーテイクが難しくなるのも当然である。 現在、オーバーテイクの数を増やそうといろいろな方法を考えているようだが、この問題の根幹はディヒューザーにある。ディヒューザーが空気を拡散して乱しているので、後ろのマシンが接近することが難しくなっている。 ディヒューザーを禁止するか、昔のウィングカーを復活させるしか、オーバーテイクを増やす方法はないと思う。だが後者はマシンのスピードが増えて危険なので現実的ではない。そして前者の場合、コーナーリングスピードが今より遅くなり、F1が他のカテゴリーより遅くなると言うことになる。 どちらにも難しいので、関係者は困っているのである。オーバーテイクが増えないからといって、関係者がサボっているわけではない部分は理解していただきたい。