DRSの付きとはDRSをオン状態からオフ状態にした時のダウンフォースの戻る時間のことである。これに時間がかかるとコーナーの入口で不安定になる。
通常、予選とフリー走行ではDRSを無条件で使用することができる。その為、ほんの短い直線でも彼らはDRSを使用する。問題はこのダウンフォースが戻る時間である。同じ問題を昨年、メルセデスは抱えていて苦労した。DRSオフ時のダウンフォースの戻りとDRSの効率は反比例するようだ。つまりDRSの効率を高くすると、オフ時のダウンフォースの戻りが遅くなると思われている。
特にコーナーの入口では、マシンの姿勢が前傾し、リアの地面との間隔が広がり、ディヒューザーでのダウンフォースが減る。そこにリアウィングのダウンフォースがすくないと、マシンが不安定になるのは当然である。
ちなみにフェラーリのDRSは効率がいいと言われており、この点からも彼らのダウンフォースの戻りが遅いことが裏付けられている。
このことで彼らがストレートでのタイムを稼いでいるが、それ以上にコーナー入口でのマシンの安定性を失っているのであれば、フェラーリが予選であれほど遅いのに、決勝ではいいペースを得られるのも納得である。
レースでDRSは限られた区間と限られた場面でしか使えないから。
そうなるとドライバーはDRSをコーナー手前からオフにしなければいけなくなり、DRSのメリットを100%活かすことができなくなる。
ただこのリア・ウィングであるが修正は比較的短時間でできると言われている。
果たしてフェラーリはこの問題を解決することができるのであろうか。